住宅JOH~光の帯から生まれた住宅という場所!~

東京都内のとある高級住宅地に建てられた専用住宅で、とある俳優さんのお住まいとのことです。わりと最近火事によって全焼してしまったことがメディアで知り、とても残念に思いました。さて、この建築を手がけたのは建築家鈴木恂。安藤忠雄以前にコンクリート打ち放し仕上げをおこなう日本の住宅作家って感じなんでしょうかね。おそらく彼の作品は、安藤忠雄にも大きな影響を与えたはずです。そんな彼の初期住宅は、非常に明快な構成が特徴的で、それがまたかっこいいんだよなあ!

そんなそんな、L字型と正方形を組み合わせたかっこいいこの住宅。コンクリート打ち放しからなる建築のプロポーションと、上から光を取り入れたトップライトが特徴的な家で、その採光の美しさが最高に魅力的ですね。そこからなる建築形態がとても強い造形を表現しています。

斜めの塀が立ち上がっている敷地の専用通路の奥にある住宅は、L型平面の2層部分とそれに囲まれるように配置された1層の部分があり、そのふたつを45度に傾いたトップライトを設けた回廊部分がこの建築をつなぐ中間的な領域をつくっています。どうやら当初は2層部分のところは壁を立ち上げただけの屋上部分があったのですが、後に外観をほとんど変えずに増築をおこない、全て2層になっています。家庭の変化とともに住宅 も変わる想定で設計されたのでしょうね。生活変化によって住空間にどのような変化をもたらすかを見るのが楽しみであったと建築家も語っています。変わる部分、変わらない部分というものを若かりしころの設計者がこの住宅から学んでいったのですねえ。

住宅の内部をみてみますと、個室、広間、サービス部分、そして回廊部分の中間居室があります。この中間居室がこの住宅の形を特徴づけていますね。 個室やサービス部分をもつ2層のL型平面とL型に抱かれた一層の広間は平面的にも構造的にも明快に分離されていて、高低差があり、天井の高さも異なるのですが、中間居室はそれらの異なる空間機能を結び、使用用途のようなものがない場所として設定されています。中間居室の空間の主な要素はトップライトからの光で、それは異なるスペースをつなげるための光に満ち溢れ、屋外空間のようにも感じることができます。まるで縁側の陽だまりのような感じでしょうか。そのような場をこの光の装置によって獲得しています。夜にはここから星や月が美しく輝くのをながめることができるのでしょうね。住宅にこういうスペースがあると豊かですよね!増築以前に屋上に設けられた壁のあるテラスは、個室は中間居室を経てつながっています。

この住宅は光の操作によって形成され、それが住宅の設計なんだという信念のもとになりたっています。光の量感を空間によって束ね、そして内部に落としこんでいく。その想いが純粋に空間となっていることがかっこいいんだよなあ!

建築:住宅JOH

設計:鈴木恂+AMS

建築作品を見た雑誌等:MAKOTO SUZUKI + AMS ARCHITECTS WORKS 鈴木恂+AMS 建築集、空間の構想力 鈴木恂建築研究所の仕事 住宅建築別冊33

建築のある場所:東京都

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