パウロ・メンデス・ダ・ロシャ自邸~アクロバティックコンクリートジャングル!~

2006年に建築界のノーベル賞とも言われるプリッカー賞の受賞をはじめ、高松宮世界文化賞やヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞などの国際的な賞を受賞するブラジル出身の世界的建築家、パウロ・メンデス・ダ・ロシャ。この建築は、その彼が1966年にサンパウロに建てた自邸です。

彼の建築作品は、コンクリートやスチールの革新的な使い方が特徴です。どんなことかというと、それは素材の魅力をそのまま生かしながら、空間を最大限に活用した斬新な構造によってその姿を表しています。そんな彼の作風は「内部と外部の理想的な親和状態」を追求したものであり、土地や歴史、景観などを総合的に考え抜きながらつくりあげたものです。水平で空中に持ち上がるコンクリート彫刻のような彼の建築は圧倒的な力を放ち、現在も世界に大きな影響を与えています。

もちろんサンパウロ小さな丘の中に隠れた彼の自邸も例外ではありません。 一見外観からははオフィス?倉庫?いやいや隠れ家でしょう。そんな正体がなぞめいた佇まいがまたいい感じですよね。大胆に使われたコンクリート平屋建ては柱の上にあります!かっこいいですよね!!この彼の大胆なシンプルさがスペース全体を覆います。

内部空間は、天井と壁のコンクリート躯体による工業的な雰囲気、床は木製であったりカラフルな美しい柄のタイルからなる暖かさと、2つの領域に分けられています。その未完成にも見えるなかに、スチールの枠の大きな窓がとりつき、外からは青々と樹木が生い茂る庭、そしてその向こうにはビルが林立する大都市の風景が見えます。ううん、開放的ですねえ。そこに日常的なインテリアが挿入され、混在した感じがたまりません。美しい水平ラインや植物、そして趣のある家具の組み合わせは、住居空間を演出するコントラストとなり、独特な世界観をつくりだしています。でも、なぜか、なじんでいます。住宅の中央にあるコンクリートで造作された暖炉もいいですねえ。シンプルでモダンです!外部にはコンクリートのプールとプールサイド。コンクリートによるクールさが新鮮な雰囲気と静けさをつくりあげています。

ありのままの自然に対し人間が住む場所として、知識や技術を使いながらどう変化を与え快適な環境とするか、そしてその変化によってよりよい地球というものを共有する建築と都市つくろうとする、そんなことを意識的に建築によって体現しています。建築家として、そして人間として文化に触れ、文化を理解する意識が、彼の自然と建造物の対話につながっているのでしょう。60年代に建てられた建築なのですが、なんていうんでしょうね。現代においても、その魅力は薄れていないですね。これが、彼の建築作品からなる普遍性なのでしょう。

建築:パウロ・メンデス・ダ・ロシャ自邸

設計:パウロ・メンデス・ダ・ロシャ

建築作品を見た雑誌等:世界現代住宅全集23 パウロ・メンデス・ダ・ローシャ自邸 (ADA)

建築のある場所:ブラジル

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