イリノイ工科大学クラウン・ホール~生き生きとしたユニバーサルスペース!~

シカゴにあるこの大学のキャンパスは、建築家 ミース・ファン・デル・ローエが設計し、そして多くの建物がキャンパスとして使われています。キャンパス内は、美しいグリッドによって軸が構成され、それに沿って道路や植栽が規律正しく並んでいて、ミースが設計した20棟をも超える建物が配置されています。う~ん、ミース大学ですなあ。そのなかで最も有名なこのホールは、建築・都市計画学部の建物として存在し、ミースの代表的作品の一つとなっています。ミースがこの大学の主任教授を務めている時に設計されたとのこと。

キャンパスの豊かな緑の中を歩いていくと黒い建物が現れます。周囲の緑と建物の黒が織り成すコントラスト、そして鉄骨とガラスの取り合いがとても美しい建築ですねえ。床スラブが地面から1.8メートルほど持ち上げられていて、その床を支える8本のH鋼の柱は内部空間から外へと持ち出し、そこに溶接された4本の梁から屋根が吊られています。そんなわけで室内には柱の全くない、均質で自由な空間が実現しています。柱以外の鉄骨は、高さ6メートルほどのスチールサッシのガラスカーテンウォールとなっています。構造的にもデザイン的にもこの建物を特徴づけています。普通は建物の中に納める構造体の大梁を外側に出していることで内部空間を大きく取る、構造を外に出すことで室内に大空間、そしてミースの代名詞でもあるユニバーサルスペースがつくりあげられています。近い時期に設計された、これまたミースの傑作である、ファンズ・ワース邸につくりかたが近いですね。レス・イズ・モア(より少ないことは、より豊かである)でございます。

アプローチの階段も美しいですねえ。段板が浮いているように見え、踊り場も地面から浮かせて、面の構成を表現されています。その階段を上ってエントランスへ導かれると、内部は先ほど説明した長さ66メートル、奥行36メートルの壁や柱・梁が見えないフラットな大空間。基本的には製図スペースとしてつかわれていますが、展示やコンサートなど多目的な利用を可能となっています。

1階のフロアには、実習室が4つほどあり、地下には、図書館やサロンなどがあります。空間は使い方に合わせて間仕切られていたりします。中央には視線を遮るくらいの半透明なガラスの壁がありますね。それによって個室がいくつか作られてその内部は研究室として使われているとのことです。

一つの空間の中で、教員や学生などが自由に行き交いながら、互いに影響し合って学んでいくラウンジ空間、テーブルがある誰でも使えるワークスペースになっています。床の黒い大理石は、四方のガラスから差し込む自然光を照らし、ガラスや家具が自然光によって床に映りこみます。

空間の抽象性が、素材や光を純粋なかたちで現されていて、それが建築のもつ力強さとして目の前に存在し、大学の空間としてのユニバーサルスペースは空間が生き生きと活用できるような気がしますね!

建築:イリノイ工科大学クラウン・ホール

設計: ミース・ファン・デルローエ

建築作品を見た雑誌:GA05 UNIVERSITY

建築がある場所:アメリカ

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