クライスト・カテドラル(旧クリスタル・カテドラル)~光に覆われたガラスのメガチャーチ!~

アメリカ、ロサンゼルス郊外に、全面ガラス張りの大きな教会があります。カリフォルニアの青空を背景に鋭角なラインで構成される多面体の燦然たるきらめきを放った建物、その特徴的な外観から、クリスタル・カテドラルと呼ばれていました。

そもそもこの巨大な教会は、ガーデン・グローブ・コミュニティ教会の創設者ロバート・H.・シュラー氏により誕生しました。メガチャーチと言われる巨大な教会の先駆けで、シュラー氏はこの大聖堂に信者を集めました。シュラー氏は世界で最も有名なテレビ伝道者の一人として認識されるようになり、毎週放映されていた番組での説教はこの大聖堂で録画されていたそうです。そんなこの建築の設計はアメリカにヨーロッパのモダニズム建築をもたらした代表的な建築家、フィリップ・ジョンソン!

ガラスと鋼によるモダンな大聖堂は、最高部で高さ40mで、だいたい13 階建ての高さにほぼ匹敵します。奥行きおよそ60メートル、幅およそ120メートルという広大な空間に、およそ3000人ほど収容できます。ガラスで覆われた空間は光に包まれ、中にいながらまるで外にいるような感覚を覚えます。 まるで温室のような、明るく巨大で開放感のある空間です。それまで教会建築といえば厚い壁に囲まれた薄暗い物静かな空間のなか一閃の光がステンドグラスから差し込むといった感じでしょうかね。それを考えると新しいかたちの教会建築といえますねえ。

大きな無柱空間には白い鋼束のレース状トラス構造に長方形にカットされた1 万枚を超えるガラスが枠に組み込まれ、大聖堂の屋根と壁を構成しています。太陽光を跳ね返す鏡を効果的に使用することで、自然光を取り入れつつ、内部は快適に過ごすことができます。しかも郊外のドライブイン教会ということで、高さ27mのガラス扉がオープンし、車で来場できるように設計されているそうです。車で入れる教会ってすごい。。

実際に教会の中に入ってみると、正面には世界最大級のパイプオルガンがあり、猛烈なインパクトを与えています。大理石でできた広い内陣は、主要な礼拝やホリデーコンサートのなどで、多くのミュージシャンに使用されています。コンサートホールみたいです。また、両サイドには植栽が施され、2階席が内部空間の広がりを強調します。

そんなすばらしい教会であったのですが、シュラー氏の引退後、宣教活動の主体となったテレビ番組の負担から財政が悪化、さらに献金減少と多額の負債を抱え、2010年には破産を申請することとなってしまいました。その後クリスタル・カテドラルは建物と敷地を売却されることになり、2012年にカトリック教会オレンジ教区が買い取り、愛称は、「クライスト・カテドラル」に改名されています。ガラスの教会は持ち主が変わり、どのような変容をとげていくのでしょうか。願わくば、フィリップ・ジョンソンというアメリカの偉大な建築家の仕事を尊重したものであってほしいなと願うばかりです。

建築:クライスト・カテドラル(旧クリスタル・カテドラル)

設計:フィリップ・ジョンソン

建築作品を見た雑誌:a+u 19813月号

建築のある場所:アメリカ

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