イビラプエラ公園遊歩道~人を包み込むような公園建築!!~

ブラジルのサンパウロ市内中心部にあるこの公園は、ブラジルを代表する大建築家オスカー・ニーマイヤーと造園家のブーレ・マルクスとの共働設計によって生まれました。公園には、ニーマイヤーによって設計された講堂や博物館、産業館、美術館、劇場などがあり、それら建物をつなぐ屋根だけの機能しかない通路みたいな巨大な空間があります。今回はそれを中心にとりあげていきたいと思います。

実はこの建築、恥ずかしながら、東京都現代美術館の展覧会で知ることになりました。その展覧会は、SANAAによる展示構成となっていて、館内の地下2階にあるアトリウム空間に巨大なイビラプエラ公園の模型インスタレーションが展示されていたのです。これがなかなか楽しい!公園の広さはな、なんと180ヘクタール!その規模を30分の1の模型って!でかすぎでしょ!!そんな公園のなかでこの建築は、一番重要であるかのようにこの大きな屋根が中心となっていましたね。

屋根の下にはたしか2000人くらいの人の模型があり、およそ500本ほどの木の点景が植えてありました。靴を脱いで上に上がれるようになっていて、鑑賞者とより近くで共有できるっていうのもいいですよね。

さて、デザインとしては、カーブするコンクリートの屋根が、その幅を大きくしたり、または小さくしたりしながら続いていき、公園に点在するニーマイヤー建築をつないでいます。それはニーマイヤーらしい、フリーハンドの曲線で描かれた池のような川のよう形態となっています。ダイナミックで自由な曲線は自然の植物との相性が良さそうで、なんだか開放的です。この屋根の下は特に用途があるわけでもない、まさに屋根付き公園。そのブラジルの強い日差しから守ってくれる屋根の下は、休日になるとたくさんの人がやってきます。公園と屋根は、人々が座ったりねそべったりとくつろぎ楽しむ、憩いの空間になっています。人々が散歩したり、子供達が遊んだり、若いカップルがデートしたりしています。ローラースケートやスケートボードをしていたり、小さなキオスクやカフェなどがあったりもします。イベントも開かれていたりと素晴らしいパブリックな場所ですね!誰にでも開かれた、民主的で、しかもおだやかなユートピア的空間です。

そんなこの建築、こんな広い空間なのに柱も少なくて、大スパンなんですよね。屋根はダブルストラクチャーになっていて、ものすごーく分厚いのです。重量はけっこうあるのでしょうね。入口あたりに大きなブレースがもうけられています。屋根が大きいのでその下は暗いところもあります。屋根は、緑の中に入って行って、どんどん高くなっていったりもします。そんな大きくのびやかな屋根のデザインを見ていると、なんだかニーマイヤーという建築家のおおらかさやスケールの大きさみたいなものも感じますよね。人と人との交流が自然と生まれるような、あらゆる人を包みこむ大きな屋根。とても寛容な建築だ「。人間のための建築だ。それはブラジルの文化がそうさせるのかな。文化がきちんと建築というかたちで表現されているような気がしました。こんな空間を実現できるオスカー・ニーマイヤーという建築家、やはり偉大だ!

建築:イビラプエラ公園遊歩道

設計:オスカー・ニーマイヤー

建築作品を見た雑誌等:オスカー・ニーマイヤー(Alan WeintraubAlan HessRIZZOLI)、オスカー・ニーマイヤー 形と空間 (二川幸夫、ADA)、 オスカー・ニーマイヤー展(東京都現代美術館)

建築のある場所:ブラジル、サンパウロ

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