フィリップ・エクセター・アカデミー図書館~大きな空間と小さな空間の対比から生まれた本を読むという場~

アメリカのニューハンプシャー州にあるこの学校は、優秀な中等教育学校として知られていて、卒業生には Facebook 創業者マーク・ザッカーバーグ氏などがいます。そんな学校の図書館は、巨匠ルイス・カーンによって設計が手がけられています。

緑豊かなキャンパス内に、レンガ造の校舎群と調和して佇んでいるのが図書館です。ぱっと見、わりと普通の建築で、建物のかたちや開口は四角く構成されています。でも、よく見ると、各方向面を形成するファサードは、本体から壁が独立し、切り離された表現となっています。そしてその四角形は互いの隅がとりあっていません、面が独立してそこにセットバックした所で斜めに2つの面がつながっています。整然と並んでいる幾何学な窓は、上下2つに分割された意匠となっていて、上はガラス、下はさらに2つに分割され、上はガラス、下は木で構成されています。レンガと木がいい感じですよねえ。窓は5層に積み上げられ、その一番上は開口が抜け、そこから空が見え隠れし、重厚なレンガ造の表現を軽快に表現しています。一番下の部分は壁柱のように構成されていて、四角い窓が並ぶ規則性を保ちながらも表現を変え、これらの独立した面が表現されているわけです。 そんな4面とも同じファサードの意匠は、この広いキャンパスのなかで、その方角による背景や光のあたりかた、時間帯で印象が変わります。これは深い。深読みさせる建築ですねえ。

館内に入ると、まずは大理石によってつくられた楕円形の階段が出迎えてくれます。階段の天井部分の梁の間からは、次に展開する大空間が見え隠れし、次の空間への期待感をふくらませます。中央部へと導かれると、もう圧巻!4面正方形のコンクリート造の二重壁が取り囲み、その正方形に大きな円形の開口がくり抜かれ、そこから規則正しく並んだ書架が見えます。そして見上げると天井には巨大な十字架の形をした梁!すごい存在感!!そのトップライトから降り注ぐ光と共に、その姿は神々しいです。これらからインパクトの強い建築の中心性が生まれています。そして冷たい感じを与えるコンクリートと 暖かい温もりを与える木の相性もまたすばらしいです。 吹き抜けの周りに配された本棚は、その奥行きを利用して読書できるスペースとなっています。

そしてですね、圧倒的な空間の吹き抜けとは全く正反対のヒューマンスケールな空間も最高なんですよ! 外壁の窓に机が並べられ、そこに落ちる光が創り出す空間が気持ちいいんですよ。それぞれの机には小さな窓が付いているのもいいなあ。 木の建具の窓から差し込む光が包み込み、暖かさを感じますねえ。レンガ造の柱と木との取り合いがまたいいです!なんか暖炉もあって、ソファが置かれたスペースもあるぞ。!!大きなガラス窓1つに対して1つのソファが置かれ、正に自分だけの読書空間がつくれますねえ。いいわあ。

こういう住宅に近い意匠ディテールと吹き抜けの大胆な構成が同一空間に存在するっていうのがすごいところですね。ここで読書していたいわあ!

建築:フィリップ・エクセター・アカデミー図書館

設計: ルイス・カーン

建築作品を見た雑誌a+u ルイス・カーン

建築がある場所:アメリカ

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