東京アートミュージアム~まちや通りの一部となった小さな美術館!~

調布市の仙川駅から程近い通り沿いに、世界的建築家安藤忠雄の建築が、な、なんと6棟並んでいます。そのまんまですが、そこは通称「安藤ストリート」なんて呼ばれているようですね。これだけ安藤建築が狭い範囲で固まっている場所は日本であまりないんじゃないかなあ。そんなまちがどうしてできたかというと、この土地を南北にずざーっと貫く都市計画道路事業が決定され、その道路の両側に分断された細長い敷地に街づくりの設計を!と安藤事務所に依頼したとのこと。そんな街並みの一角にあるのがこの美術館ってわけです。しかしこの変形な敷地に設計するのは建築家冥利につきますねえ。

さて、そういうわけで、この小さな建築も非常に奥行きの狭く、細長い建築になっています。幅3.5メートル、長さ24メートルほどの小さな敷地。アートや建築、デザインなどの企画展覧会を催しながら、この場が文化芸術の発信していくことを目指すため美術館は2004年に完成しました。

そんなこの美術館、入口あまり目立たず、気をつけていないと通り過ぎてしまいます。なんでしょうね。そうしているのは、敷地が小さいっていうのもあるんでしょうけれど、通りに対してより自然な流れを保ちたかったのでしょうか。内部は基本的にワンルームといった展示空間となっていて、3階建てくらいの高さまである吹き抜けが魅力的な空間をつくっています。狭小の三角地をうまく利用していますよねえ。もちろん内外の仕上げは彼の代名詞であるコンクリート打ち放し!外部から入り込む光、そしてコンクリートの壁によって生み出された荘厳な空間は、その奥行きをより感じさせます!

さてさて、吹き抜け空間の中央部には階段が設けられています。1階から見上げ、そして階段をのぼりながら壁に展示された作品をながめ、そしてのぼりきってそれらを見下ろす。この階段による移動が異なる視点から作品を眺めることを可能にしています。そしてワンルームの空間を階段で移動しながら、吹き抜けによる縦方向の空間をつなぎながらも緩やかに分節しています。小規模な空間を上手にあつかっていて、小さいながらもいいですねえ。いや小さい空間だからこういうことができるのかもしれない。だからこの移動が気持ちいいのかなあ。

そして、トップライトやスリット状の開口部などが程よく設けられていて、外部の光を採り入れたり、外部空間を感じながら展示作品を鑑賞することができます。小さい窓で光は制御され、心地のよい光が内部に差し込んできます。この開口部のあけかたが絶妙!最高なんですよ!!

外から見るとこじんまりしていますが、内部に一歩足を踏み入れると、そこにはとても豊かな空間がひろがっています。やっぱり彼の建築は小規模であると、その建築のもつ強さがより表現されるよなあ。としみじみ思いますね!

建築:東京アートミュージアム

設計:安藤忠雄建築研究所

建築作品を見た雑誌:TADAO ANDO Insight Guide 安藤忠雄とその記憶 (講談社)、東京アートミュージアムパンフレット、CASA BRUTUS

建築のある場所:東京都

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