フライ邸Ⅱ~山の地形と一体化したモダンな住宅!!~

カリフォルニア州のパームスプリングスという砂漠都市。その市街地からおよそ70メートルほどの高い場所に立つこの家は、その街を見渡す眺めがとてもすばらしい場所です。その美しい眺めが広がる一方で、山側からは巨岩が迫り出しています。この建築は、そんな山の斜面にひっそりと控えめに埋め込まれたおよそ90平方メートルほぼ平屋による建築家の自邸です。ドラマティックで印象的な敷地に立っていますねえ!

そんな場所にこの住宅を設計したのはスイス生まれの建築家アルバート・フライ。彼は巨匠ル・コルビュジエの事務所で働き、あの近代建築の大傑作サ ヴォア邸を担当した方だそうです。そしてその後アメリカに移住してニューヨークで働いた後、このパームスプリングスという都市に移り住みました。ちなみにこの街は、町はハリウッドやロサンゼルスの上流階級の人たちの人気保養地となっています。そこで仕事の活路を見出したのですね。というわけで彼は自邸を設計し、この都市での仕事を中心として活動し、砂漠都市のモダニストとも呼ばれていたそうです。かっこいいですねえ!ちなみにそんなパームスプリングスに建つ住宅は彼の自邸の2つ目。この家を建てた頃のフライは半ば隠退生活に入り、自分の好きなプロジェクトを選んで仕事をしていたそうです。うらやましー!

さて、この住宅作品においてですが、フライという建築家は、敷地と場所に対しての感受性がすばらしいですね!家をこの敷地からなる地形や景観に見事な関係性で一体化させています。そのかたちや配置は、敷地を注意深く観察することから生まれており、 その結果としての検討や表現がこのような市街地と砂漠に向かって開かれた展望台になっています!外部にはしずく型の小さなプールのあるデッキが家の前方に配されていて、山の斜面に合わせた色のコンクリートでつくられています。そして外観には、波型状となった金属製の屋根や外壁のアルミ板が山の岩と一体化する色になっています。

そしてさらにここがすごい!平面構成は建物内に突き出た巨岩を活かした設計になっています。!!この前のニーマイヤーの自邸もそうでしたけど、この外部の要素を内部までもちこんでいるってすごいですよね!大胆ですわあ!!家の内部は寝室とラウンジ、そして床レベルが上がった部分にはダイニング兼製図用テーブルのためのスペースがあるワンルームになっています。コンパクトで合理的なプランのレイアウト、そして埋め込み型の造作家具は、師匠コルビュジエのカッ プ・マルタンに建てた木造の休暇小屋を思わせますねえ。

しかもプランニングにあたっては、フライが1年という期間をかけて敷地における太陽の動きを観察し、どの時期に太陽の光がどこにくるかが分かるダイアグラムを作成し、ガラス壁が真夏の暑い太陽にさらされないような設計としたそうです。逆に太陽が低くなる冬には日光が入り、家が温まるようになっています。何気にパッシブなんですねえ!

かたちやレイアウト、素材においてはちてもモダンなデザインですが、この住宅建築は可能な限り景観への配慮、そして調和が実現されています。それはフライによるこの場所への敬意が込められているといっていいのではないでしょうか。 モダニズムと土着建築、パッシブで経済的な方法を最大限に活用しながらも、景観に対する斬新で感受性豊かな建築となっています。

建築: フライ邸Ⅱ

設計:アルバート・フライ

建築作品を見た雑誌等:アルバート・フライ自邸(プリンストン建築出版)20世紀世界の名作住宅(エクスナレッジ)

建築のある場所:アメリカ、カリフォルニア

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