ラス・コルス・レストランにある一連の建築~自然を調和しながら過ごす空間から醸し出される世界観~

スペインのジェロナ州にある、オロットというまち、そこにあるミシュランで星をいただいている人気のレストランです。しかもお店の設計者は建築のノーベル賞といわれているプリツカー賞を今年度受賞したRCRときてる!これはすばらしいですねえ。このまちは火山地域は青々とした森林を特徴とし、ガローチャ地方として知られる地域です。そのまちにある山肌に、私たちの予想をはるかに超えたテクスチャと光による素敵な空間世界があります!

外のエントランスから見えてくるのが芝生の緑が美しい庭、そしてその先には落ち着いた黒いレストランの空間この2つの対比と調和が美しい入口となっています。そしてその内部に入ると庭の明るい緑を暗い黒の空間からフレーミングされたガラス開口越しから楽しむ空間となっています。そして庭を眺める空間から背後に振り返ると、そこには黒とはまた対照的なゴールドのダイニング空間が奥にのびています!特注で作られたひとつながりのダイニングテーブルは圧巻ですね!もちろん家具のデザインもRCRがおこなっています。そしてそのダイニングの先につながっているのがまた庭。その庭のほうから建物を見ると、古いヨーロッパっていう感じの外観がそのまま残されていて、古い空間と新しい空間が絶妙に調和しています。キッチンの中心には中庭があって、そこに配されている水盤が自然光を取り入れたり反射させたりする空間となっています。食事をするテーブルは農園のグランドレベルに目線を合わせた設計がなされていて、食事をしながらその風景を楽しむことができます。

レストランにある庭の先を少し歩くと、広大なテントっていうか、バンケットスペースっていうのかな、それが現れます。半屋外空間となっていて、数百人規模の来客を収容できるセミオープンなイベントや宴会ができる半屋外空間となっています。ここではピクニック気分で、周囲の火山が織りなす美しい景色を楽しめる場となっています。そして 空間の仕切りや屋根がまた面白いんですよね!その覆われたカーブしたチューブ状の屋根の素材は、非常に軽い透明素材になっているため、雨や日射からも防護されながら、会場をパノラマに使うことができます。さらに施工によって発生した石材は、壁や舗装の一部として活用され、火山石が床や壁を覆い、敷地がガローチャの景観と呼応した関係性を築いています。奥にあるバンケット専用キッチンは、これもレストラン本体のキッチンと同様に、調理をしながら自然を感じられるようになっていてこれもまた素敵ですねえ。内部にしつらえられている家具は透明なアクリルからなっていて、そのデザインが人や食べ物が浮き立ちながら風景に溶け込んでいます。

そしてさらにレストランの隣には、パビリオンと称する夜間に休憩する場があります。宿泊できるってことなんですかね。いいなあ!敷地は以前は果樹園として使われていた場所で、この建物は、植物が生い茂る、高い壁によって囲まれた孤立したエリアのなかに建っています。それがまた街のなかにひっそりとある隠れ家みたいな場所となっています。建築は、その壁に屋根が部分的に架けられて空間がつくられ、そこには5つの客室がもうけられています。パビリオンは、外の世界、特に空との親密な関係性をつくりながら夜を過ごす提案となっています。

内部は、垂直な2つの主軸空間によって構成されています。 縦軸は長めの狭いダイニングエリアとなっていて、レストランの正面玄関を横断する横軸にはまた別のダイニングエリアがあり、外の庭を見渡すことができ、大きなキッチンの内部にはパティオがあります。そしてそのパティオには浮かぶように見えるガラスキューブのパビリオンがあります。パビリオンにつながる野外廊下のアプローチは金属メッシュのカーペットで覆われ、竹林を思わせるスチールパイプが立ち並んでいます。和を感じるなあ。客室空間は、夜空景色と楽しさが中心になる場が形成されています。お風呂も幻想的ですねえ。壁面は、反射と不透明なガラスが自然との境界面を消し、光と水が空間の中で混ざり合っているような感覚がありますね。その自然の要素が空間的に感じることができ、その非日常的な空間によって、忙しさから開放された休息の夜がもたらされています。微妙な透明性、光と影が新しく洗練された関係をは不思議で魅力的なイメージですね。

彼らの空間は、敷地から生まれるそこ特有の経験ができる場を作り出しています。その空間は静謐で、自然に対するとても感覚的な親和性があり、それが自然の素晴らしさを表現する普遍性にまで建築が高められています。自然からインスピレーションを受け、その自然で育まれた材料からすばらしい料理を生み出すというレストランのコンセプトに絶妙に調和しています。行ってみたい!食べてみたい!!

建築:ラス・コルス・レストランにある一連の建築

設計:RCR

建築作品を見た雑誌:a+u 20166月号

建築のある場所:スペイン

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