緑が丘の棲家~東京という都市の敷地に家を建てる、いや、ねじこむ!~

世田谷区の住宅街にある、駅から徒歩30秒ほどの場所にある鉄道と緑道に挟まれた鋭角な三角形の狭小地。そこは10坪満たない土地でしかも敷地形状は不定形ときている。まず思うことは、よくここに住宅を建てようと思ったな、と。そしてよく実際に建てて住んでいるな、と。それだけ東京に住むということは、この建て主にとって重要であったのでしょうね。それだけ魅力を抱かせる東京ってすごい街ですよ。と、田舎ものである私は思うわけですよ。私の田舎にある実家の土地だと、おおよそ、土地の坪単価は坪1020万円、一応、東北のとある県の県庁所在地があるところですよ。しかもけっこう大きな駅が近い。おそらくこの住宅がある場所ですと坪200万円は軽く超えるのでは。10倍以上違うわけですよ。いやあ。。ああ、話がそれてしまいましたね。失礼。

この建築、一人暮らし用の住宅として建てられています。どうやら、クライアントが仕事で東京に滞在するための住居としてつくられたようですが、東京という都市に住んで生きていくのだ!っという強い想いみたいなものがこの住宅作品にはありますよね。と、勝手に私は感じてしまいましたよ。存在感がそう感じます。なんか狭小地すぎる場所に建つ住宅って、もう、あれですよね。もう感覚で空間を構築する、体を敷地において手探りで空間を感じながら構築するようなそんな感じで設計する。その身体感覚が構築されている。そんな感じなのかな。と、思ったりしてしまいました。狭小住宅を設計する。狭小住宅に住んで生活する。う~ん。体験してみたい。

住宅は基本的には、ワンフロアに1つの部屋が三層重なった構成となっています。1階にはバスルームとベッドルーム玄関があって、ポーチは車寄せスペース確保のため、ちょっと引っ込んでいます。2階にはダイニングとキッチン。3階には書斎という構成になっています。

敷地に対して可能なかぎり居住空間を確保するために、敷地に沿った三角形のプランとなっていて、住宅は3枚の壁によって構成されています。鉄道側は、電車による騒音や振動を防ぐために、300ミリのぶ厚いコンクリート壁が立ち上がっています。反対の緑道側は、そこにある桜並木を眺めるために大きな開口が設けられています。そこからは、緑や空、春には桜が室内に入り込んできます。住居系地域だから高さにも制限があるためか、屋根はヴォールト屋根となっていて、その形状が、この住宅建築を都市の要素によって、スライスされたような断面形状が形態化しているようにも感じます。りんごを切った断面みたいなカタチにも見えますねえ。おもしろい。

でもなんだろう、三角形だからか、開口が効果的に設けられて、抜けもうまく設計されているからか、奥行きを感じるなあ。樹木が開口から見えて、都市のなかにあるほんのわずかな自然を獲得しようとする意思がみえますねえ。どんな敷地でも家って建つんだなあ。もうなんかこの狭くて不定形な土地を見ると、敷地に土地をねじこんでいるようにも感じますね。都市に住む。都市に住む。う~ん。すごい!

あ、でもそういえば、以前私がこの建築のまえをとおったときは、お花屋さんみたいな感じになっていましたねえ。こっちのほうがあっているな。って思ってしまった私は、東京という都市に住む、には、あっていないのかもしれませんね(笑)。

建築:緑が丘の家

設計: 竹山聖+アモルフ設計組織

建築をみた雑誌等:新建築住宅特集19935月号、独身者の住まい(著:竹山聖、廣済堂)

建築のある場所:東京都

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする