九樹村~伝統的な住まいの形式をモダンに変換した集合住宅~

中国の南東部、杭州市の川に隣接した深い竹林、この建築群はその小さな峡谷にあるセレブな住宅開発計画です。とでも言ったらいいのでしょうか。竹林のある環境、その地域特有の魅力に建築は見事に繊細に美しく呼応していますねえ。

建築のある森林は、3方向の側面が囲まれていて、地上レベルは通りにアクセスできる南側の入口にのみ開いています。広々とした敷地にある建物へは、入口からつながっている小道を通って、住居をはじめ、小さなお店、クラブハウス、スイミングプールなどそれぞれの共同施設にアクセスできます。

建物は、12の独立したボリューム地形に対し順応して建っています。そしてそれぞれが、相互に微妙に角度を変え、くずれた市松状に配置されています。なんか、全体的にランダムな浮遊感っていうんですか?そんな感じがありますねえ。これらは、個々の建物に対して、最大限の開放空間が行き渡るようになっています。それぞれの建物に植栽が施されていて、ランドスケープデザインによって敷地周辺の森林とを明快に分けています。そして、な、なんと、すべての建物は、地下に駐車場がもうけられていて、地上レベルの景観に、車は見えないという環境がつくられています。そして地下駐車場から、建物にアクセスができると。おお!これはすばらしいですねえ!!

そしてそして、敷地に点在する建物群は、それぞれ、その建物サイズやプラン、配置、景観や日照などから、6種類のタイプに分けられています。そしてそのそれぞれの建物には、5つの住戸がおさまっていて、その床面積は、な、なんと、およそ400平方メートルもある広さ!広いわあ、セレブやわあ!!っていうか、そんなにいる?なにすんの?パーティー?まあ、いいや。そんな広々とした平面は、ゆるやかに空間が連続しています。

そして木製の縦格子からなる建物の外装は、中国の伝統的な住宅の原則から引用したのだそうでです。これが繊細で美しいんですよー。このルーバーが、日光を調整しながらも、それぞれの住戸同士のプライバシーを保っています。住戸のまわりにある外部廊下は、居住空間と周囲の自然との中間領域のような場となっています。そしてこの外装は、なんかグラデーションっぽい意匠になっているな、と思っていたのですが、これは、そこにある部屋の用途、機能や、日照、敷地状況によってその密度に変化がつけられています。これがまた見た目にも美しいですねえ。さらにその外装の一部が可動式になっていて、それを調整することによって、プライバシーの空間程度の調整を行うことができます。

そしてですね。これも豪華だなあ。敷地の北端には、屋外プールがあるクラブハウスがあります。この建物は、スロープが描かれている急勾配の丘陵に配置されていて、その地形が建築のかたちにあらわれていますね。この屋内空間は、まるで洞窟んみたいな素材によって構成されている空間になっていて、トップライトから、奥の部屋に光が降り注がれる空間となっています。

伝統形式が現代の素材の使い方によって、優雅で静謐な環境を住まいにもたらしています。なんか、リゾートホテルみたいな環境ですよね。中国というイメージがこんなに繊細に表現されるなんて、チッパーフィールドさん、さすがですわ!ちょっと住んで見たいなあ。無理だけど。

建築:九樹村

設計:デイヴィッド・チッパーフィールド

建築作品を見た雑誌:a+u20098月号

建築のある場所:中国

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