緑の中のスタジオ~森に浮かぶ舟!!~

樹木の下で仕事をするというシンプルな目的を目指してつくられたこの建築空間は、スペインの建築家ユニット、セルガスカーノが設計を手がけた自身の設計事務所スタジオであるそうです。これはまた、すごい事務所スペースですよね!!

林のなかにひっそりを存在しているその建築はその半分が地下に埋っています。地下に埋っている建築部分はもちろんコンクリートであり、ウッドデッキによる型枠で覆われています。まるで緑の上に浮いている船のようにも見えますね!なんかこういう遊覧船むかしに乗ったことあるぞ!!(笑)。目線に敷地面があり、その地面を水平に見渡すことができるという不思議な感覚をこの空間では味わうことができます。これ、たくさん雨が降ったとき、どんな感じなんだろうなあ。。と余計な心配もしてみたりする。

建築は、そのコンセプトを空間として実現するため、可能な限り透明な屋根が必要であると同時に、テーブルを置くスペースを直射日光から防ぐことも必要とされました。なんせそこで仕事をしますからねえ。したがって、内部空間を見てみますと、北側部分が透明になっていて、そこから直射日光が避けられ、やわらかな安定した光が入ってくると同時に、透き通った壁面から森の緑やその景色を眺める、いや見上げることができます。無色透明な厚さ20mmのプレキシグラスというものを曲げて加工して使用しています。反対にテーブルがある南部分は閉じていて、無着色のグラスファイバーとポリエステルによる二重構造のパネルが用いられていて、その間に断熱材がおさめられています。これらから構成されるパネルは、内側からキャンティレバーによって支えられ、樹木の影をうっすらと感じることができます。なんかこう、ずっと見ていると、電車の車窓から見ているようにも見えますね。それもそのはず天井の部材には、ドイツの鉄道会社の車体の天井部のためだけに製作される曲面状の部材が使われています。こりゃおもしれー!

シンプルなコンセプトであればあるほど、それらを成立させるには手間や技術が必要になるのだろうなあというのがよくわかります。それは小規模であればあるほどむずかしいのかもしれませんね。この建築では、よくある部材によって建築は構成されているのですが、その部材の使い方や組み合わせ方が説明書のとおりではない。それを製作するにあたっては、製造会社の許可であったり、その部材を建築に使用するための加工を特別に行ったりなどがされたらしいです。それは施工する側にとってもリスクの多い仕事であったのだろうなあと感じます。そのような仕事に関わってもらった施工関係者はすごいなあえらいなあとしみじみ感じますね。

建築:緑の中のスタジオ

設計:セルガスカーノ

建築作品を見た雑誌:a+u20096月号

建築のある場所:スペイン、マドリード

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