バングラデッシュ国会議事堂~国の文化と誇りの象徴としての建築!!~

偉大なる建築家ルイス・カーンによる、この人工湖の畔に浮いているかのような建築は、まさに威風堂々という言葉が似合いますよね!その姿はまるで古代遺跡のようにも見えますね。いや、騎士が着用する甲冑にも見えるなあ。いやいや、この幾何学的な造形は、イスラムの伝統建築を彷彿とさせますよ。そんなもうこの建築は、時空間をも超越しようとしているのではないかと思ってしまうくらいの圧倒的な存在感です。

カーンは1960年初頭に、パキスタン政府からこの建物を含めた新都心の都市計画を依頼されました。そしてこれらは東パキスタン地区に建つ第二の首都として計画され、着工されました。しかし、工事途中に独立運動・独立戦争などを経て東パキスタンが独立し、バングラデッシュが建国されたわけなんですよ。それに伴いこの場所は、新政府に引き継がれ、なんと首都に格上げとなったわけです。激動ですねえ。そんなこんなでこの建物は、完成までにおよそ20年の歳月がかかってしまいました。残念ながらその間にカーンは亡くなったしまい、完成した姿をみることなく、後継者の手によって完成されています。

さて、そんな苦労の末、完成に至ったこの大建築を都市計画との関係もふまえて見ていきましょうか。まず、この当時の新たな都市計画は、行政府と立法府、そのそれぞれが南北に向いて対峙した配置構成になっています。この2つの区域が都市軸に沿って形成され、議事堂の幾何学的な秩序にも重ねられています。見るとけっこう古典的な部分を参考にした配置の都市計画であり、建築計画となっていますね。敷地は洪水の多い場所であることから、カーンは建物を盛土の上に置いています。そして盛土のための土は池を掘って活用しました。ああ、そのアイデアからこのドラマチックな建築風景が生まれたのかあ。池は議事堂正面北側とその両脇に配されていて、池の中心に議事堂が浮かんでいるように見えます。この池に沿って議員、閣僚、事務官の官舎が並んで配置され、議事堂の両翼となって全体を構成しています。バロック的ですね。北側の事務棟も大きいなあ。

議事堂本体の外壁は、打放しコンクリートによって仕上げられていて、大理石の細い線が格子状に入っています。基壇の床は赤いレンガで舗装され、大理石で縁取られています。このレンガ造による基壇と両翼の建物群による赤褐色との対比が際立っていますねえ。アプローチ側の基壇の上は広場となっていて、その目の前には議事堂の壁が立ち上がっています。この壁面がこの議事堂の正面となっています。やけに閉鎖的ですね。

平面的に見ると、中心部に十六角形の議場があり、その周りを高さが揃えられた正方形や円形などの塔状の建築ボリュームが取り囲む配置となっています。搭状の建築は、大きな正方形に内接して配置され、議事堂の外側を形成しています。この正方形の対角線が都市軸と重なっているわけ。立面的に見ると、正面には開口がなく、他の外壁には幾何学的な大きな開口が開けられていて、どれもガラスがはめこまれていません。開口のないエントランスホール。三角形の開口のある2つの正方形平面の議会事務室。円形開口のある閣僚ラウンジ。半円形開口のある食堂。そして4本の円筒状の建築に囲まれたモスク。ここだけは、都市軸から外れ、この場所が独立した存在であることを象徴させ、メッカの方角に建物の軸を合わせています。中心にある十六角形平面の議場はおよそ45メートルの高さで立ち上がり、上部にある開口からは内部に印象的な光をもたらしています。

モダニズム建築でありながら、この土地に根ざしたカーンの最高傑作。砂漠という場所に対して耐候牲をもったコンクリートと白大理石を組み合わせによるこの建築は、バングラデシュの独立以来、その存在を超えた意味をもち、この国の文化と誇りの象徴となりました。バングラディッシュという新たな国のためにアメリカからやってきて尽力してくれた偉大な建築家ルイス・カーン!エクセレント!!

建築:バングラデッシュ国会議事堂

設計: ルイス・カーン

建築作品を見た雑誌a+u ルイス・カーン

建築がある場所:バングラデッシュ

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