ペドラ・トスカ・パーク~自然と対峙しながらもその敬意がこめられた場の形態~

2017年のプリツカー賞を受賞したスペイン人建築家ユニットのRCR、風景を深い視点見つめた追求から生み出される彼らの空間理念は、建築だけにとどまらず、その場所に新たな場を構築するランドスケープデザインの領域にもいかされています。

この作品は、カタルーニャのオロットにほど近い、ラス・プレサスのガロッチャ火山帯自然公園にある鋼と岩からつくられた通路です。プロムナードという言葉に置き換えるとわかりやすいでしょうかね。その敷地は、広大な岩場、クロスカット火山の玄武岩帯、大地をならし岩を取り除いて農地を拓き、その岩、石、砂などから小屋や墳墓を積み上げていった場所。その形態的で視覚的な荒々しさが特徴的です。

そこにおいて、建築家は、スティールの細い途切れ途切れの線による道の空間をつくっています。その幅が狭いスティールの線が岩を押し分け、人が歩むスペースをつくりあげています。その線はジグザグに入り込んで、岩かたまりを押しとどめ、崩れている墳墓を押しとどめてもいます。これらの岩に対峙するように存在するスティールがその場所に新たな場所、ランドスケープをつくりあげています。その形態的で触覚型なその空間の荒々しさはその場所と呼応しているかのようで印象的ですね。朝もやのなかに静かに存在する姿が詩的で日本とはまた異なる情緒にあふれますね。なんでしょうね。ラフさのなかにきちんと理念や思想がこめられているように感じるんですよね。公園から道筋を発見し、そこを歩ませていただく敬意もこめられているのかな。いろいろ考えさせられますね。

自然のなかで人工物がどう存在して対峙するか。自然の中に入り込んでしまった人工物に対しての許しをどう表現していくのか。そしてその自然のなかにおいて人が入り込む場をどうつくっていけばいいか。この作品にはそんな自問自答をしながらも模索しているような表現を感じます。そしてこのプロジェクトは、敷地そしてこの岩による景色の特異性を前面に出しながらも、建築的な発見における刺激をも生み出しているようにも思います。幾何学的な回答は場所を見続けた建築家の静かな言葉のようにその自然に刻まれています。自然の中を通していただいているんですよ。我々人間は。

公園:ペドラ・トスカ・パーク

設計:RCR

公園をみた雑誌等:a+u 20166月号

公園のある場所:スペイン

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする