ハウスオブフレーバーズ~自然に舞い降りたスイーツにための空間~

この鎌倉山に静かにたたずんでいるこの建築は、料理研究家の工房を備えたケーキショップ・カフェと住宅になります。鎌倉駅からバスに10分ほど乗って、そして着いた最寄りのバス停から5分ほど歩くと、建築家齋藤裕が手がけたなんともまるで小さな宇宙船のような建物が現れます。この方の建築、とても個性がありますね。なんていうんでしょうね。この作風にはまる人ははまりますよ!外観は、屋根が鉄とガラスによってつくられていて、それがハイサイドライトがもうけられていることで壁から浮いたように見えます。この屋根の形状もとてもいいですねえ。木の葉をイメージしているのだそうです。好きだわあ。でも施工たいへんそうだなあ。

そんな造形からして、もう虜になりそうなこの建物。エントランスにあるこユニークな感じの扉を開け店内に入っていくと、これまた大変印象的な階段が、曲面を描いた壁に沿って設けられています。その階段をゆっくりと下りていきますと、手すりがこれまたこれまたなんとも美しいラインを描いています。1.5メートルほど下りる階段は無垢板になっていて、その手すりは片側のみでキャンティレバーとなっていて、何とも言えない緊張感を感じますよね。 建築家は、ケーキとそれを買いに訪れるお客さん、その両方のための小さな晴れ舞台になるようにとこれらの空間を考えたとのこと。うんうん、なるほど!それがとても伝わってきます。道路とのレベル差、そして人の目線の高さ変化をうまく空間に活用して、心地よい時間を過ごすことができる場所がつくりあげられています。

店内には2席、そしてローテーブルが2組あるのみとなっています。そしてハイサイドからの光もいい感じです。内部からは外の緑が見え、木々に囲まれていることを感じることができます。斜面地に建っているので、大きな全面ガラス張りの窓から見える景色は、一面に緑がひろがります。しかも鎌倉山の谷に向かって建てられているので、室内の窓からは木々の美しい風景だけを望むことができます。店内は、格子状の長方形ボックスにきれいにおさまっている空調の静かな音のみでそれがその空間の静けさを高めているようにも思います。そんな空間でおいしいケーキとコーヒーをいただく、カフェコーナーから眺める風景は最高。いい時間ですねえ。中も外も最高ですねえ。満足。

住宅は、床や柱、そして建築のフォサードをそのまま残しながら改築しています。1階にはプライベートな部屋を配置し、2階には接客のためのパブリックな空間が配されています。そこにひろがる日本庭園もすばらしいですねえ。斜面地を活かしたお庭の中腹には、東屋のような建物が見えます。テラスには、椅子があって、斜面に広がるお庭全体を眺めることができます。

いやあ、個性的であるんだけど、細部にいたるまで丁寧な仕事がされていて、それによって空間のひとつひとつがとても自然な感じになっていて、すばらしいですね。そしてそれが施主によって大切にあつかわれていることもつたわる素敵な場所です!!

建築:ハウスオブフレーバーズ

設計:齋藤裕建築研究所

建築作品を見た雑誌:齋藤裕の建築(TOTO出版)

建築のある場所:神奈川県

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