イエローハウス~土地のコンテクストが重厚に抽象化された佇まいの建築~

スイスのフリムスという村に入ると、お!とシンプルながらも個性を放つ建築が目に入ります。この建物の設計を手がけたのは、スイスを代表する現代建築家の一人ヴァレリオ・オルジアティです。そして、彼の父親ルドルフもまた、建築家であったとのこと。へえ、それは知らなかった。勉強不足。。彼はここの地を拠点としており、同じく建築家であったルドルフも活躍していたことから、今回お目当ての建築周辺には彼の手がけた建築が数多くあります。

さて、話を息子のヴァレリオの作品に戻しましょう。その個性を放つ白く重厚で質感がどうなってるのか気になる建築作品「イエローハウス」はオルジアティの代表作ともなっているます。この建物は、美術館とのことですが、この村の公民館のようなものみたいなあつかいになっている感じですね。

いやあ、しかしですね、この外観の雰囲気がすごい感じですね。ああ、そのまえに外観が白ってさっき言いましたよね。イエローハウスと名づけられているが、イエローではないんですよ。これは古い建物を改修した建物で、元の建物の色が黄色だったことから、イエローハウスと呼ばれいるとのことです。そんなイエローハウス、佇まいが独特です。白い氷の塊みたいです。なんだろう、この存在感は。村の風景に浮いてはいるんだけど、改修のせいなのか村の土地のコンテクストを踏襲しているような感じもするんだよなあ。

建物外観の表面は白くて、でもなんかとても荒い仕上げとなっています。既存壁の漆喰塗りを剥がれていて内部に隠れていた木が部分的に見えたり、既存の開口部を新しくコンクリートによって埋めた部分が、そのような素材感をつくっています。そしてその古い部分新しい部分全てが白く塗装しなおされたことで、この建物は荒く白い重厚な塊として見えているわけなんですね。なんていうんでしょうね。もともとの日常生活風景の中から生じたリアルが抽象的な形態として表現し、捉え直しているって感じですよね。ああ、なんだか小難しいわかりにくい言い方をしてしまった。すみません。それが幾何学的でシンプルな形態でありながらも、非常に力強い建築のプロポーションをつくっているんですよね。厚みのある外壁を生かした見込みの深い開口部も建物を印象的づけています。ああ、そうか、だから土地のコンテクストをかんじるんだなあ。

内部は、白く塗りたくられた外観とは異なり、優しさを感じさせますね。まあおそらく残っている木の存在がそうさせていますよね。木製の床と、厚い壁からの窓。エントランスにある曲線や、コーナー窓の丸柱。最上階の斜めに屋根に向かっている中央柱。なかなかかわいらしい。でもあれだな。この建築は外観のたたずまいが全てな建築だ!

彼の作風はなんていうんですかね。スイスの建築家って土地への配慮からなる素材の繊細な表現っていうイメージがあったりするんですが、彼の建築はよりそれを概念的に表現しながらも、そこに無骨な部分と建築の重厚さが同居しているんですよね。それは洗練に向かっていなくてあえての荒削りなんでしょうね。それが建築作品を自立的でユニークなたたずまいにしているんですよ。でも粗いけれどもこういう確かな質感がある建築っていいですよね~。他の作品もチェックだな!

建築:イエローハウス

設計:ヴァレリオ・オルジアティ

建築作品を見た雑誌:a+u 20024月号

建築のある場所:スイス

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