東海大学路思義教堂~アジアンチックなキリスト教会からの神々しい光~

台湾の台中にある芸術街から15分ほど歩いたところにある東海大学。この大学は、1955年に台湾で最初の私立大学として設立されたキリスト教系の大学です。ちなみに日本の東海大学とは関係はないそうです。大学の正門をくぐり、緑の生い茂った森の中の道を15分ほど歩いていくと、視界が開けていって、この礼拝堂が目に飛び込んできます。礼拝堂の周辺を取り巻く緩やかな緑の芝生斜面では、学生、そして一般の人たちものんびりとおもいおもいの時間をすごしています。その雰囲気がとてもいい感じですね。すてきな風景です。

さて、この礼拝堂、1963年に建てられた台湾の東海大学のシンボルとなっている建築です。この路思義教堂は、アメリカの雑誌「TIME」や「LIFE」などの創設者である、ヘンリー・ルース氏により、キリスト教布教と父親である亨利特斯路思義ヘンリー・W・ルース牧師を記念して建設されました。 設計を手がけたのは、フランスにあるルーブル美術館のガラスピラミッドが有名な中華系アメリカ人建築家イオ・ミン・ペイの初期の代表作の1つです。ペイはあの世界の丹下健三とともに、アジアの二大巨匠ともいわれているそうです。

礼拝堂は、平面は変形した六角形となっていて、その六角形の基礎にテントのような屋根にある4枚のHPシェルが2枚1組で支え合った形状をしています。そこには柱はありません。屋根そのものが建築自体を支える設計になっていて、その地面からせり上がったようなフォルム、微妙にうねった屋根の反りがとても特徴的な外観です。この大屋根の感じがなんともアジアンチックな意匠ですねえ。ぱっと見、キリスト教会には見えなかったです。手のひらをあわせたような、合掌造り的な、そんな民家的でありながらも幾何学的ともいえるような形態ですね。外装仕上げはひし形の釉薬モザイクタイルが貼られていて、それがなんともいえないつややかさを出しています。魚のうろこみたいにも見えるな。ああ、なんかしゃちほこにも見えてきた!芝生のどの角度から見ても、とても美しく見えますねえ。

中に入ると、内部は屋根と壁になる優美な曲線が描かれた4枚の独立した曲面によって構成されています。この面はどの面も接触していないので、その隙間が天窓になっています。そこから自然光が内部に美しく降り注いできます。窓からの光は教堂にさらに神秘な雰囲気を与えていますね。鉄筋コンクリート造のスラブには構造を安定化させるため、ひし形のリブがついていますね。その内部のひし形のリブがトップライトまで上って行く感じが圧巻ですなあ。船底をさかさまにしたような形をしていて、上に向かうにつれて尖っています。ああ、なんとも穏やかな気持ちになります。国は違えど、建築の形態がそこにある文化や風土によったものになっても、信仰の気持ちと光の質は世界統一なんだなあと感じました。

建築:東海大学路思義教堂

設計:イオ・ミン・ペイ

建築作品を見た雑誌:I.M.ペイ(鹿島出版会)

建築のある場所:台湾

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