ロビー邸~日本的な線や意匠を匂わす逸品!~

近代建築三大巨匠の一人であるフランク・ロイド・ライトは数多くの住宅を設計した建築家です。この住宅はライトの初期の作品で、ライトが提唱する「プレーリースタイル」住宅の代表的な建物です。ちなみにプレイリースタイルとは、ライトの故郷であるシカゴ北部ウィスコンシンの大草原になじんで建つような水平線を強調した外観と豊かな内部空間がある住宅作品のことをいいます。その特徴としては、建物の高さを抑え、低く長く延ばした軒の水平線を強調した佇まいからなる内外の一体化や、内部の部屋同士を完全に区切ることなく、一つの空間として緩やかにつないでいることなどがあげられますかね。

そのプレーリースタイルの代表作であるロビー邸はシカゴのダウンタウンから南におよそ16キロほどあるシカゴ大学構内にあり、現在はシカゴ大学の所有物として大学構内で保存されています。敷地は細長く、間口はおよそ60フィート(18メートルくらい)、幅は180フィート(55メートルくらい)あって、建築は、水平線を強調した軒によって深い陰影のある住宅となっています。その大きく張り出した軒などで、外の風景や環境を、内部生活に取り込もうとした意匠とすることで、内部のなかで完結するそれまでの住宅形式とは異なった表現となっています。

正面に向かって左端には玄関に通じるポーチがあります。その配置は通りからは見えない配慮がしてありますね。中に入ると、玄関ホールの天井高さは低く抑えられ、日本的な格子が設けられていて、落ち着いた空間になっています。1階にはエントリーホール、プレイルーム、ビリヤードルーム等があります。2階へあがる階段のは勾配が1段1段とてもゆるく設定されていて、心地よく登ることができます。

その階段を上ると、2階リビングの天井高さもけっこう低く設定されていますが、明るく心地よい空間になっています。連続窓にあるステンドグラスがすばらしいですね。ステンドグラスが嵌めこまれた窓ガラスには、幾何学的なデザインが施されていて、模様は全て統一されています。外から室内を見ると、重厚な雰囲気を醸し出しながらも、その幾何学デザインに焦点があたることによって、室内が見えにくくなるように工夫がなされています。2階は中央にある暖炉がリビングとダイニングの間に配置されているだけでの開放的な空間が広がっています。ダイニングの先はキッチン、そのさらに奥の、ガレージの上になる部分が使用人部屋といった間取りなっています。そして3階は主寝室と子供部屋からなる3寝室と2バスルームがあります。

外観の水平な意匠や低くおさえられた天井の落ち着いた空間、ディテールなど、そこにはなぜか日本的な要素に近いものを感じることができましたね。ライトは浮世絵を収集していたり、日本で仕事をしたりしていた時期も後にあったということは、日本の建築様式に対して好感をもっていたり興味があったのだろうな。だからライトの住宅は空間が親しみやすく、私たちにとって柔らかい雰囲気の印象を与えてくれますよね。近代建築三大巨匠の中ではどちらかというと、最初はコルビュジェやミースの建築のように目が行ってしまっていたのですが、だんだんじわじわとライトのよさがわかってきたような気がします。お!建築を見る目が成長してきたのかな(笑)!!

建築:ロビー邸

設計:フランク・ロイド・ライト

建築作品を見た雑誌:プレイリーハウスGAトラベラー

建築のある場所:アメリカ、シカゴ

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