MITチャペル~光と出会うための建築~

全米いや世界屈指の大学の1つであるマサチューセッツ工科大学のキャンパス内に建つこの建築は、エーロ・サーリネンによって設計され、1955年に設立した無宗派の礼拝堂です。人種や宗教などの相違を区別せず、誰もが瞑想することのできる居場所をつくることがこの建物の設立目的であったとのこと。

エーロ・サーリネンの建築といえば、以前取り上げたTWAターミナルみたいなシェル構造の流れるような曲面を用いた表現を思い浮かべますが、この礼拝堂の外観にはその傾向がまったくありませんね。サーリネンという建築家は作品ごとにそのテイストが全く変わることで有名だったそうです。

キャンパス内の喧騒をさけるかのように緑の木立に囲まれた芝生の中に小さな礼拝堂は佇んでいます。外観はレンガづくりとなっていて、直径はおよそ15メートル、高さは9メートルあるシンプルな円筒形をしています。粗いラフなレンガの質感がまたいい感じですね。窓は無さそうです。建物周囲には、幅およそ3メートルほどの池がめぐらされています。

さて、木製の扉を開けて中に入ると、礼拝堂に至る通路には、透明なステンドグラスが埋め込まれていてこれがまず美しいですね。ガラスは透明ではありますが薄い色がついていて、光の拡散の感じが少し違っていたりして、ガラスを通して眺める外の景色が美しいですね。通路の床にはステンドグラスの光が落ちて、これもすごくいい。

そして礼拝堂の内部に入るともうさらにすごいです!そこには外観からは想像もつかない神秘的で幻想的な世界が広がっています。うねうねと波打っている円形のレンガ壁に窓は無く、祭壇の上部に設けられた直径4メートルほどの天窓からは、自然光が降り注がれ、壁際のスリットから外周部の池面に反射した光が壁面を照らされています。そして祭壇の背後に吊るされた彫刻家ハリー・ベルトイアの金属片の彫刻が差し込む光によって反射して美しくキラキラと輝き、床敷かれた菱形の真っ白な大理石が、光を反射しています。それらの光が静寂でほの暗い堂内に神聖な雰囲気を作っています。池面からの反射して入る光が効いていますね。 湾曲したレンガの壁面はその上に立てられていて、時間によって変化する自然光の動きを伝えています。いやあ、こんなに美しい光の扱い方は初めて見ました!光の拾い方がなんとも絶妙で、光に圧倒的な存在感があります。その空間の様相はまるで美しい宗教画を思わせますね!!この建築はどのように自然光を感じさせるかが深く深くその礼拝堂の意義とともに考えられています。

建築:MITチャペル

設計: エーロ・サーリネン

建築作品をみた雑誌:a+u エーロ・サーリネン

建築のある場所:アメリカ、マサチューセッツ

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