ガララテーゼの集合住宅~イタリアの都市風景を建築で表象する~

ミラノ郊外にあるニュータウンっぽさがある広い住宅地。そこにあるまち並みはぜんぜんイタリアっぽさを感じさせない場所です。イタリアっぽくない集合住宅が建ち並び、ところどころ広い公園などもあったりします。ここの場所はどうやら当初はニュータウンみたいな感じで開発されていたようですが、想定ほど人が集まらなかったらしいです。そのせいか周辺には空地や駐車場が多いような気がしますね。そんなわりと殺風景の中、最寄のメトロ駅から道路に沿って歩いていくと、外観は白を基調とした細長い建物がどーんとあらわれます。この集合住宅は1960年代後半から70年代にかけてイタリアを代表する建築家アルド・ロッシによってつくられました彼の代表作です。

さて、いきなりですが、まずここでお話ししなければいけないことがありまーす。じつはさきほどロッシの代表作にもされているこの集合住宅ですが、ロッシ自身の設計はほんの一部のみで、そのほとんどは他の建築家カルロ・アイモニーノによって設計されています。1階の回廊の奥からアイモニーノ設計した棟につながり、ロッシの単調な棟に比べると対照的な構成をしています。アイノニーノの作品は、ロッシとは対照的に色彩が鮮やかで、空間構成も階段室、凹凸のあるバルコニー、空中廊下を組み合わせた迷路のような複雑なものになっています。

さてさて、ロッシの棟を見ていきましょうか。幅12m、南北の長さが182mに及ぶ長大な直方体の建築が壁柱によって2層、3層分くらい持ち上げられています。そこには白い片廊下型のシンプルで開放的なピロティがもうけられていて、壁柱が連続的に並んでいるのが印象的で詩的ですね。でもこれは異様な空間ですねえ。スペースとして何かに使えるくらいのかなりの広さがありますねえ。この無駄な空間の使い方が魅力でもあるのかな~。

ちなみにこの1階の連続した壁柱のピロティ部分にはロッシのなかにある内的記憶や心象風景といったイメージが空間として表現されているそうです。何か無機質な感じと寂しさが感じる空間ですねえ。少年時代いったいどんなことがあったのか。そんなことが気になったりしますね。ただ不思議な空間なのはわかります。だって、まず壁柱が、こんな長さとピッチで並んでいるんですから。どこかの修道院のような空間です。そしてイタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコの絵画でもなんか見たことあるような光景だなあ。

そんな問題の心象風景は、ミラノの城壁、楼、回廊などといった歴史的建造物からくるものであるらしいです。ミラノの歴史的都市空間の文脈から、建物の下にある半外部空間が都市の中で連続させ、それらを洗練させて表現したという感じでしょうか。たしかに歴史的な都市によるスケールの連続性を感じることができますね。イタリアという都市を建築空間として表象した作品、ということなんですね。

建築:ガララテーゼの集合住宅

設計:アルド・ロッシ、 カルロ・アイモニーノ

建築作品を見た雑誌:GA No.45ガララテーゼの集合住宅1969-74

建築のある場所:イタリア、ミラノ

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