ドイツ連邦議会新議事堂~これからの国を指し示すガラスドーム!~

1894年に完成したドイツ帝国初の議事堂は見た感じとっーても重厚な建物です。この建物、第二次世界大戦末期にソビエト軍に攻撃され、戦後はしばらくの間廃墟のままずっと放置されていたそうです。その後しばらくたってようやく改修を行ってドイツ議会がオフィスとして再使用を始め、ついに1990年の東西ドイツ統一に伴い、再び議会として使用することとなり、1992年にコンペが行われました。そこで勝利してこの改修設計に携わることになったのがイギリスを代表する建築家ノーマン・フォスター卿です!

改修された建築の外観はわかりやすくもその重厚な議事堂の上にガラスのドームがちょこんと乗っています。対比がすごいわあ。石造建築を通して透明なガラスのドームがちらちら見えるわけですよ。未確認飛行物体到着かよ!古い外観を保存しながらこのミスマッチなほどのハイテク建築、中に入ってみますと、それはもう再建と言うよりはもう新築ですよ。議会という場を開放して、ひとつの憩いの場になっています。現代的にオープンで行きましょうってことね。議会の透明化ですよ。ちなみにこのデザイン、フォスターが焼失したドームに着目して、それをガラスで再現するという斬新な手法から実現にいたったとのこと。

高さ23メートル、直径40メートル、およそ8000トン分のガラスを使用したガラス張りによるこの建物は、真下にある議場に自然光が入るようになっています。そのため下の議場の様子がドームから丸見えです。ドームの内壁沿いには構造の補強にもなっているらせん状のなめらかなスロープが設けられ、ゆっくり上がりながら眼下にある議場が見ることができますし、そして反対側には景色を楽しむことができます。中心部には逆円錐状のミラーガラスによるオブジェが吊るされていて、議場の天井に突き刺さってます。それが中の銀色に光る大木みたいなのが光を集めて、真下の議事堂に自然光を送る仕組みになっているそうです。そしてさらに建物全体の電力消費にも役立っているとのこと。ガラスは太陽の動きに合わせて角度を変えられるようにもなっています。そしてドーム屋上のテラスからはベルリン市街が360度見渡せます。

透明なガラス、太陽の光、そしてそれを活用したエネルギー循環などの最新テクノロジーとの統合。環境先進国のドイツらしく、開かれた国会議事堂の真上に政府が率先して環境対策を施し、見事に「ドイツが環境に気を使っている国である」、「開かれた民主主義の国である」という事を表象していますよね。権威を象徴しながら、うまいこと国のスタイルを発信した建築ってわけですね!一つのデザインとして具現化していたのは、さすがノーマン・フォスター!って感じです。

建築:ドイツ連邦議会新議事堂

設計: ノーマン・フォスター

建築作品をみた雑誌:a+u20029月号

建築のある場所:ドイツ、ベルリン

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