アルド・ファン・アイク彫刻パビリオン~シンプルな形式と素材が生む彫刻の表情~

国立公園内にある木立にふわりと溶け込むクレラー・ミューラー美術館は、フィンセント・ファン・ゴッホに関するコレクションでも知られ、その87点にもおよぶ絵画の規模は、アムステルダムにあるゴッホ美術館とならび、2大ゴッホ美術館と称されています。また美しい公園での屋外展示も有名であり、緑に囲まれた広大な敷地に彫刻が散在する展示方法は、日本の彫刻の森美術館の参考になったとも言われています。

あ、すいません。でも今回はこの美術館でなくで屋外にある建築です!そして屋外にはパビリオンが2つあります。ひとつはリートフェルトが設計したパビリオン。もうひとつはオランダの建築家アルド・ファン・アイクが設計したパビリオン。リートフェルトが設計したパビリオンはまた今度ということで、今回はアルド・ファン・アイクが設計したほうです。これは1966年のソンスビーク彫刻展覧会のために依頼され作られたもので1965年に完成し、その後移転されたものです。

アイクは1953年 の第9回近代建築国際会議CIAMにおいて結成された、アリソン&ピーター・スミッソンを中心とした当時の若い世代の建築家グループ、チームXのメンバーであり、建築や都市における変化や成長のプロセスを許容しうるダイナミックな構造を模索しようとした建築家であり、オッテルロー・サークルやオランダ構造主義を提示した建築思想家でもあります。

公園内をゆっくりと散策しているとその印象的な建物が登場します。コンクリートブロックによる厚い壁、そして半透明な屋根がのってあります。空間は半屋外になっています。このパビリオンは幾何学を用いた彼のスケッチプランが有名で、そのスケッチもかっこいいんですよねえ!

建物はコンクリートブロックの壁構造となっていて、6枚の壁が構造体となっていると同時に空間単位となっています。天井は全面がトップライトとなっていて、ガラスを支えるサッシが格子状になっています。円形の床に、ブロック造の壁による小さな円形の小部屋がランダムに配置されていて、半透明なガラスの波板?が大屋根という構成となっています。このトップライトは光を片側から打つのではなく、すべての側から均等に彫刻に落としたかった建築家の意図があるとのこと。ブロックが直線で円弧をつくっているためので、そこからから生じる影がいい味だしています。さて、その建物の壁と壁の間からは胸像が見えます。

室内にあるベンチに座ってみるとあらゆる方向に彫刻作品が見えます。コンクリートブロックの抽象性が彫刻の表情をなにかひきたてているような感じもしました。しかしコンクリートブロックの空間にたたずんでいるとそこにいるのは、彫刻、人間。どちらがどちらだ?みたいな。気分になりますねえ。小さいシンプルな建築なんだけれども、なぜかとても魅力的に感じてしまって、ぐるぐるぐるぐるしたくなる空間でした。そしてぐるぐるぐるぐるしてると、彫刻とおにごっことかかくれんぼして遊んでいるように感じてきた!いいわ~なんかこの建築。

建築:クレラー・ミュラー美術館彫刻パビリオン

設計:アルド・ファン・アイク

建築作品を見た雑誌等:Aldo van Eyck アルド・ファン・アイク (著:Robert McCarterYale University Press

建築がある場所:オランダ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする