躯体の窓~庭との境界面をデザインする~

もともと1階が賃貸住居、2階がオーナー住居であった築およそ30年ほどの鉄筋コンクリート造2階建ての建物。それを週末住宅兼スタジオというすてきで楽しそうにリノベーションしたプロジェクトです。週末は別邸として、そして平日はロケーションスタジオとして貸し出すという複合的なプログラムがおもしろいですよね。

敷地に入るとまず目に入るのは、庭に面する14メートル×9メートルの大きな窓によるファサードです。これが印象的です。これまで見たことあるようで見たことのない窓を持つ建物になっています!

既存建物は敷地に対して南側に庭を取り、北側に寄せた一般的な配置計画になっています。施主の要望は庭を緑いっぱいにして建物内部との関係をもっと自由にしたいとのこと。そして室内にできるだけ多くの光をとりいれたい。屋上もスタジオとして利用できるようにしたい。そこからでてきた建築家の提案がこの壁面いっぱいの窓!内装はそのときどきによって変容するフレキシブルなものになるため、オーナーが自ら行い、建築家は外部との境界面を設計しています。極端な話、窓の設計ということですね!

室内と庭との境界面をデザインするという方向性から、建物は躯体だけを残し、部屋と部屋を仕切っていた壁を解体し、さらに建物と外部を区切っていたファサードと付属していたバルコニーを取り除き、そして3階分の高さのある巨大なスチールサッシを建物前面に据えつけたガラス窓で建物を覆っています。大胆で明快なデザインですねえ!屋上の立ち上がりの壁が窓にもなっていることで、建物のファサードが窓一色になっていますねえ。上から下にかけてつながって設置されている長いカーテンがその表現をより際立たせています。

そんな全面ガラスによる空間は、日が高い夏でも日の当たらないような空間の隅まで光がとどいて、室内が明るい庭のようになっています。屋上には建物より高く設定した窓ガラスが光を庭側へ反射して、その明るさを手摺の分、いただけていますね。

建物の面積と同じくらいの空地には緑あふれる庭が広がっていて、その窓からなる建築と庭との関係もなかなかいいですね。窓という屋内と屋外の境界があいまいになっています。壁が窓に変化したといってもいい関係によって内外が反転したりするおもしろい関係性ができています。今どう使われているんだろうなあ。おもしろくなってそうだなあ。

建築:躯体の窓

プロデュース:SOUL PLANET

設計:増田信吾+大坪克亘

建築作品を見た雑誌:新建築20145月号

建築のある場所:千葉県

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする