ヘドマルク博物館~新旧建築の対話による調和がなした空間~

ノルウェーの首都オスロから鉄道に乗って1時間半ほどでたどりつくハーマルという街は、大きな湖のほとりにあるゆったりした雰囲気がただようすてきな街です。そのハーマルにある駅から徒歩およそ30分くらいの湖のほとりに、ローマ時代の遺跡を展示してあるその博物館はあります。この建築の設計を手がけたのはノルウェーが生んだ近代建築の巨匠建築家スヴェレ・フェーン。この建築はフェーンの最高傑作と言われています。

ヘドマルク博物館は、二つの建築によって成り立っています。ひとつは800年前のカテドラルの遺構を、ガラスですっぽりと覆われたピラミッドのようなシェルター。この建築は別の建築家ルンド & シュロットゥーの設計によるものです。そしてもう一つが、フェーンの設計による遺跡を博物館として再生させたカテドラル博物館です。この建築は、この建物は教会の遺跡の上に風化から保護するためのシェルターをつくり、同時に展示をも行うための博物館です。遺跡のリノベーションといいますか、コラボレーションといいますか。

建築は元あった中世に建造された修道院のプランを踏襲して、そこに新しい屋根をかけて再構成するというシンプルな構成になっています。外観はその上部に新たに作られた赤いシェルターがかかっています。そして遺跡の上を通るコンクリートの通路が印象的ですね。その遺跡に挿入されたように存在する通路みたいな橋みたいな空間が建物通り抜けて外まで弧を描きながらスロープになっています。この空間を浮遊するコンクリートが内と外を貫通することで、そのまわりにある遺跡の時間の流れを人々は歩いて鑑賞しながら感じることができます。これらの動線計画はとても緻密に考えられています。そして人の視線の抜けや展示物に対する目線の設定、展示物それぞれに合わせた展示方法がよく考えられていて、それらが独特な空間でありながらも非常に美しいです。その強弱による空間の抑揚がとてもすばらしいです。遺跡と現代建築が見事に調和した佇まいになっています。

単純に遺跡を残すというためにとどまった建築ではなく、それを手がかりにしてさらにはまったく新しい建築を作りだされているんですよね!建物の新旧の境界線が絶妙につくりこまれ、それがとても良く馴染んでいて、違和感を感じることがありませんでしたね。そこには建築家の建築に対する強い意思と熱意を感じました!うまく建築同士を対話させているんですよね。いやあ、建築って奥深いものですね~。感動しました!!

建築:ヘドマルク博物館

設計:スヴェレ・フェーン

建築作品のある雑誌:a+u 19981月号

建築のある場所:ノルウェー、ハーマル

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする