新ナショナルギャラリー~ユニバーサルスペースによるガラスの箱!~

ドイツ統一の象徴として再開発されたポツダム広場からソニーセンター、フィルハーモニー・ホールへと歩いていくと、その先に大きな四角い建物が見えてきます。その建物は四方どこから見ても同じ形状の外観です。大きく張り出した黒っぽい鉄製屋根は遠くからでも目立ちますね。この美術館は1968年に建てられた近代から現代の絵画作品を所蔵している巨大な美術館で、ノルデ、キルヒナー、ムンクをはじめ、多くの人たちを魅了してやまない数多くの作品を所蔵しています。

そしてこの建築を設計したのは、「Less is More” (より少ないことは、より豊かなこと)」という言葉でおなじみのモダニズム建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ。その彼の最晩年に完成した代表作であり、近代建築の傑作です。この建築は彼が追求した、のびやかでオープンな空間に可能な限り近づけようと、その空間デザインは極限までシンプルに表現されています。

美術館は地上1階地下1階のとてもシンプルな構成となっている建築です。1階のエントランスホールは、多機能な企画展示ができるスペースとして用いられ、主に地階が美術館として常設展示を配置した機能を担っています。地上と地下の空間を明快に分離することで、開放的な均質空間が生まれています。展示室に配置されているソファはもちろんミースがデザインしたバルセロナチェア!

そんなおよそ50年ほど前に建てられたこの美術館、正方形のプランで、天井、床、窓を見るとグリッドに沿ってすべて計画されていて、エントランスホールの空間内部には一切柱がありません。巨大な鉄の屋根を外周の4辺に2本ずつ8本の十字型になっている柱のみで支えられているため、内部には柱のない空間が実現されていて、かなり開放的でフレキシブルなな空間になっています。巨大な鉄骨の天井を側面の軽やかなガラスが支えているかのように錯覚させます。いや、屋根が宙に浮いているようにも見えますねえ。その極限まで切り詰められた構造が空間の自由度を超えたなんとも不思議な緊張感を生み出しています。それはまさに用途を限定しないユニバーサル・スペースの概念を反映した、ガラスの箱の建築です。すげえ!

美術館としておよそ50年使われたこの建物は、大がかりな改修工事が必要になり、イギリスの建築家デイヴィッド・チッパーフィールドが、改修を依頼されました。このため、現在美術館は休館中です。いやあしかしこの傑作に手を入れて改修って、なかなかのプレッシャーですよね!どんな空間が新たに生まれるのか!非常に楽しみです!!

建築:新ナショナルギャラリー

設計: ミース・ファン・デルローエ

建築作品を見た雑誌:GA14

建築がある場所:ドイツ、ベルリン

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