イームズ邸~モダンなライフスタイルの原型!~

アメリカのロサンゼルスにあるサンタモニカの丘、そこは海が一望できるすばらしいロケーションです。1949年、このすてきな場所にケーススタディハウスプロジェクトによる8番目の住宅として、住宅兼アトリエが建てられました。このプロジェクトは、当時アーツ&アーキテクチャ-誌によって始められたもので、新進気鋭のアメリカ人建築家にプロトタイプ住宅を建てさせるというおもしろい試みでした。

その住宅兼アトリエを自ら設計して住んだのは、アメリカのデザイナーであるチャールズ・イームズ と妻のレイ・イームズ。彼らは美しくシンプルでありながら、遊び心と機能性、そして素材の可能性を追求した作品の数々を生み出し、20世紀における工業デザインに大きな影響を与えました。彼らの仕事はそれだけにとどまらず、そのほか映画制作などのメディア作品、そしておもちゃのデザインなども手がけました。そんなイームズ夫妻の制作活動の拠点であり、またその原動力ともなった場所。鉄とガラスによるカラフルでモダンなデザインの住宅は、彼らが仕事と生活の両方を楽しめるようにつくられた、普遍性と個性が共存する作品です。イームズ夫妻はこの自邸以外にほとんど建築作品が無いにもかかわらず、建築界にも大きな影響を与えました。

イームズ夫妻による設計は、近代建築を象徴するうえで語らずにはいられない建材である鉄とガラスを使ったシンプルな住宅でした。しかもそれらは規格化された工業製品によってつくられ、ローコストで量産化が可能、なおかつ軽快で機能的で美しい住宅となっています。そしてその空間は開放的で何よりも楽しそうです!

建物はガラスと、赤、白、青のカラフルなパネルで組み立てられた外観がかわいらしいですね。ガラスが多いこの建物は、ユーカリの木々などの自然で覆われていることで緑のカーテンのようになっています。住宅は柱スパンが基本的に2.3メートルのモジュールで構成されていて、西側が住居、東側がアトリエとなっています。その間にある中庭は、各々のスペースを分け、息抜き的な場所になっています。東西の両端は吹き抜けになっていて、住宅のリビング吹き抜け、アトリエの吹き抜けとなった開放的な空間です。リビングの奥には、作り付けのソファのあるアルコーブやダイニングとキッチンがあります。2階に上がる階段は曲線を用いたらせん階段になっていていい感じですよね。室内にはイームズ夫妻が旅先で買ったり、もらったりした様々な工芸品が置かれているのもたのしいです。その雰囲気からイームズ夫妻の暮らしぶりが伝わってくるようです。これらの小さな小物も、この空間を形成する存在なんですよ。そこには彼らのスタイルが生活として表現されています。ここは単なる家ではなくて、多分野に渡った作品を数多く生み出した発想やヒントがぎっしりと詰まった魅力的なおもちゃ箱や~。家をまるで家具や道具のように身近なものとしてとらえ、生活をエンジョイしていたことがわかりますね!

この自邸は、現在ではイームズ財団によって管理され、建物だけでなく、そのインテリアもそのまま残されています。ミッド・センチュリー・モダンに多大な影響を及ぼした彼らの功績を作品として残し、伝えていこうとする努力がすばらしいですね!

建築:イームズ邸(ケーススタディハウス No.8

設計:チャールズ・イームズ 、レイ・イームズ

建築作品を見た雑誌:イームズ・ハウス/チャールズ&レイ・イームズ (ヘヴンリーハウス-20世紀名作住宅をめぐる旅 2) (著:岸和郎、監修:五十嵐太郎、東京書籍)

建築のある場所:アメリカ、ロサンゼルス

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