八王子セミナーハウス本館~逆ピラミッドがおしよせる魅力!~

JR八王子駅からバスで20分、「野猿峠」のバス停で下車して徒歩5分ほどで異様な建物が見えてきます。のどかな多摩丘陵にある風景の中に、ひときわ異彩を放ったアバンギャルドな建築物が目に飛び込んできます。この小さな山の上にある建物は、大学のための新しい学問研究の場として開館しました。1965年に第1期の本館、宿泊ユニット群などが完成してから8期にわたり、およそ20年の歳月をかけて、その自然環境と地形を生かした施設がつくられてきました。現在では一般開放もされています。ちなみにじつは「セミナーハウス」という言葉は創設者の造語だったそうです。それは知らなかった~。

その本館、セミナーハウスの建物群、中で唯一吉阪隆正 がご存命のときに建てられた建築です。それもあるのか、ピラミッド逆さにして地面に突き刺したような建物はとても異次元な建築でもう圧巻でした。うーん。けったいな建築だ。あっと、つい言ってしまいました(笑)。逆三角形なんて水泳選手だけかと思ってたわ。ものすごい迫力よ。上層階にいくほど前方に突き出てくる壁面は、まるで今にもこちらに倒れてきそうだ!でも実際に近くで見ると重厚で安定感もありそうだな。構造どうなってんだ?

話をはさみますが、吉阪隆正はル・コルビュジエ直系の愛弟子とのこと。 早稲田大学の教職の傍ら、コルビュジエへの弟子入りし、世界各地を探検したり、外国で教鞭をとるなど、ワールドワイドに見聞を広げた人物。その思考の範囲はもう壮大すぎて、全貌を理解するのは謎。 まあ変わった人ということでしょう。だってあのコルビュジェが師匠なのにこの建築。ちょっと飛躍しすぎでしょー。

さて、気をとりなおしてアプローチの坂道を登ってゆくと、建物の中から突然目が現れ、じろりとにらまれます。 はい、一応もう一度言っておきますが、目です。こおりつくわあ。なんで?なになに?フリーメイソン?謎だわ~。

さてさて、もう一度気をとりなおしていきましょう。その傾斜した壁には木製の型枠の荒々しい仕上がり。これがより壁面に力強い表情を与えていますね。なんだ?よくよく見ると建物の壁面には謎めいたデジタルチックな模様があったりもしますね。さらに不思議な形の窓。そして稲妻のような目地のライン。 庇を切り裂くなぞの裂け目。 お!入口玄関の庇もピラミッド型?いや鳥のクチバシだ。その上には空中通路があるぞ!

内部はいたるところが吹抜けになっていて、階同士が融合しているように見え、非常に開放的なつくりです。内部には柱がないですね。やはり摩訶不思議な構造だ。壁面は上に行くほど広く開放的になっていきます。なんせ逆ピラミッドだからね!階段の周りは斜めの線ばかり。もちろん窓も斜めだーい。 3階ラウンジ の不思議な明かりとりの開口を発見!人や鳥の目がこっちをにらんでるかと思ったわ!!食堂へ向かう階段はくねくねと曲がっています。 最上階が食堂はわずかに天井がふくらんでいます。そして象徴的な空中通路となっている渡り廊下は3階から外の講堂へ出る通路が刺さってます!いやあ、もうおなかいっぱい。降参!

そんなつっこみどころ満載の摩訶不思議な吉阪建築ですが、でもなぜか魅力を感じてしまいました。もっと彼の建築や思想を勉強してみようかな~。あんまりはまるとやばそうだけどね(笑)。

建築:八王子セミナーハウス本館

設計:吉阪隆正+U研究室

建築作品を見た雑誌:吉阪隆正|大学セミナーハウス (著:齊藤祐子、編: Echelle-1、建築資料研究社) 、吉阪隆正の迷宮(編:2004吉阪隆正展実行委員会、TOTO出版)

建築のある場所:東京都八王子市

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