ハイライン~ニューヨークのダウンタウンを貫いていく公園!~

長く続く遊歩道とそこに点在するオアシスのような空間の数々。この公園はマンハッタンのど真ん中にある使われなくなった古い鉄道高架を利用した線形状の公園です。その全長はおよそ2.3キロあります。

地上およそ10メートルの高さある貨物列車用線路は1930年代に建造され、80年代まで使われていました。その後20年以上放置され、跡地には線路が隠れてしまうほど植物が生い茂るようになります。陽の当たらない高架下は治安が悪化し、犯罪の温床となって荒廃が進んでいき、跡地は2000年までに撤去される動きとなっていきました。その一方でこの高架線路の存続を訴える運動も始まり、「フレンズオブハイライン」という団体が結成されました。公園化のアイデアを持つ彼らは、寄付金を集めながら、自ら設計プランを作成していきました。メディアも彼らの活動を取り上げ、著名な政治家たちもこの運動の支持者となっていきました。そして2002年、ついに市は取り壊しの方針を撤回し、彼らと連携して公園建設計画進めることになったわけです!

このプロジェクト案は1993年に完成したパリのプロジェクトである全長4.8キロある「プロムナード・プランテ」からヒントを得てリノベーションされたとのこと。2006年には鉄道から都市公園へ転用するための工事が始まり、2009年にセクション1(ガンズブールストリート~20丁目)、2011年にセクション22030丁目)、そして2014年に最後のセクション3がオープンし、全面開通となりました。現在ではこのハイラインはニューヨーク市が所有し、NPO 法人フレンズオブハイラインによって運営・管理され、この場所にはニューヨーカーをはじめ、多くの外国人観光客も訪れています。

建物でいうところの3階くらいの高さにある高架鉄道は遊歩道からなる公園と変貌し、それはまるで空中庭園そのものですね!歩いてみると、とにかく景色がいいんですよ!!ハドソン川はじめ、木々の間から見える周囲の風景は歩いていくとどんどん変化します。樹木以外、壁などつくらず、線路のラインをできるだけ生かしたデザインとなっています。この場所の歴史を残し、風景に溶けこみ、そのあるがままの姿を未来につないでいこうとする公園のコンセプトが伝わります。ところどころに古い線路の跡が見えて当時のおもかげを感じることができますね。道の脇には季節の花々や植栽が植えられ、飲食の屋台もあちらこちらにあり、途中にはベンチなどのストリートファニチュアもたくさん設置されています。川沿いの風景を眺めながら日光浴、またはゆっくりと読書を楽しむのに最適ですね!アートも点在していて、歩くとたくさんの発見がある楽しい場所に生まれ変わっているなあ!

そしてこのプロジェクトは近隣の不動産開発に拍車をかけ、その価値をも高めました!ビルの間を縫うような新しい公園の存在が引き金となって、ハイラインに隣接する一帯には様々な建築物が続々と出現しています。そんな古い高架と新しい建築物のコントラストもまた見どころのひとつかもしれません!ハイラインをまたぐように設計された13丁目にあるスタンダードホテルや、フランク・O・ゲーリーが設計した18丁目の IACビルディング、20丁目 のジャン・ヌーヴェルによる高級コンドミニアムもすごいですね!そしてハイラインの最南端にあるガンズブールストリートにはアメリカ近・現代美術の殿堂として有名なホイットニー美術館別館がレンゾ・ピアノの設計で2015年オープンしました。

これまでになかった視界からのマンハッタンをのぞむ風景。それはとてもとても新鮮であります。たくさん植物の合間に現れたりする線路と枕木、古いものはその見方やとらえかたによってこんなにも都市のシーンを革新するものであるのかと感動しました!!

公園:ハイライン

設計:フォールド・オペレーションズ+ディラー・スコフィディオ&レンフロ

公園をみた雑誌等:a+u 20105月号、a+u 201312月号、HIGH LINE アート、市民、ボランティアが立ち上がるニューヨーク流都市再生の物語(著:ジョシュア・デイヴィッド+ロバート・ハモンドなど、アメリカン・ブック&シネマ)

公園のある場所:アメリカ、ニューヨーク

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