カプチーナス礼拝堂~太陽の色彩を抽出した光の礼拝堂~

この建築はメキシコシティ南部のトゥラルパンという場所にある礼拝堂を改修し、再建したものです。メキシコの建築家ルイス・バラガンの晩年の作品で、最高傑作ともいわれている作品です。もともとは簡素そのものであった礼拝堂を、バラガンが、な、なんと私財を投じて再建したんですって!すごくないすか!でも、そのかわり彼の思うように設計を行って、7年もの歳月をかけてつくられたとのことです。

そんな最高傑作。でもですね、なんか外観はですね、どう見ても礼拝堂には見えないふつうの家。という感じなんですよ。入口もそっけない感じです。でもそれがバラガンの建築の真骨頂。戸を開くとその中にはもうほんとびっくりするような空間が待っています!

まず入ると中庭に入ります。中庭には周囲の壁につたが垂れ下がっています。その中心には池があって、周囲の喧噪から解き放たれた静寂の場所となっています。端にある水盤にはバラが浮かべられていて、その香りがこれからの期待を高めますね~。白い壁には、ぱっと見、気づかないくらいの壁と一体化した白い十字架が浮き出ています。床には溶岩が使われているそうですよ。そして中庭から礼拝堂に入る前に、前室のような薄暗い小さな部屋に通されます。扉の向こうへの期待がさらに高まります。

礼拝堂の中に入ると光と色彩の魔法が迎えてくれます。入った瞬間、なんか全然違う空気の中に入ったような感覚になりますね!黄色やピンク、オレンジのグラデーションが空間を包み込んでいます。まるで礼拝堂が光と色彩のアートのようになっていますよ。これはやばいです!

白い壁の向こうには、金色の祭壇があって、その左側にはオレンジ?ピンク?の色をした大きな十字架が横向きに配置されています。たぶん十字架は祭壇の正面にあるのが普通ですよね。まあ、ちょっと待ってくださいよ。背後の窓ガラスを通して木漏れ日のような光が十字架に当たり、午前中のある時だけ、正面の壁に十字架の影が現れるんですよ!いやあ、時間によって色が変わって見えて、その影がもう最高に美しいですね!これ、意図的に祭壇の横に十字架を配置しているんですよ!バラガンは、太陽光の角度と壁の色によって生まれる空間を計算しています。そうです。彼は光の魔術師なのです!!しかし何でですかね、空間にある十字架や壁が鮮やかなオレンジやピンクをしているのにもかかわらず、空間全体が静か~な祈りに満ちあふれているんですよね。

祭壇の横には、薄い黄色の格子窓で隔てられた信者のための部屋があります。格子窓の向こうには光の充満した中にオレンジ?ピンク?の大きな十字架が見えますねえ。この部屋からはその大きな十字架が正面から見えるようになっています。そのほか礼拝堂を取り囲むように配置された廊下や部屋も多くの工夫がなされた空間となっていますね。

いやあ、それはそれは、幻想的で美しい空間でした!庭を介しての空間へのつれて行き方、そして光と影の使い方!ルイス・バラガンのカトリック教徒としてのアイデンティティというか、キリスト教への信仰心が伝わる純粋な光の空間でした。最高傑作と言われるのも納得してしまいますよ。ていうか彼は最高傑作いくつつくっているんだっていうぐらいどの作品も感動ものだー!

建築:カプチーナス礼拝堂

設計:ルイス・バラガン

建築作品を見た雑誌等: ルイス・バラガンの建築(TOTO出版、著:斎藤裕)、カーサ・バラガン(TOTO出版、著:斎藤裕)

建築のある場所:メキシコ

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