ウィークエンドハウス~閉じることで景色が内部にひろがる住居!~

この建築は東京から車で2時間ほどの場所にある週末住居です。高速道路が近くにあるこの敷地は、傾斜した林の中腹にあるくぼ地となっていて、建物はそのくぼ地の中央に配置されています。お施主さんのご要望としては画家である娘さんの作品を展示できるような空間をつくりたいとのことでした。いやあ、ギャラリーのある週末住居なんてうらやましいですねえ。

さて、その建物はぱっと見ると、シンプルな正方形の閉じた黒い箱が建っていて、窓がほとんどありませんね。せっかくの敷地環境なのに空間が内側に閉じているのはどうしたもんだろうと最初は感じましたが敷地周辺がわりとさみしい環境となっていまして、防犯のためということです。

さてさて、この建築は内部が見せ場ということなんですね~。この住居、平屋の構成となっていまして、その平面は、和室や個室、キッチンなどのそれぞれ機能を2.4ートル×2.4メートルの基本ユニットに対応させています。そしてそれが均等に反復してゆくことで正方形な空間がつくられています。人が使用しないときには個室等の建具が開け放たれて、住居全体がワンルームとなって、住まいのようなギャラリーのようなスペースとして使用できるようにもなります。

そしてそこにガーデニングのために3つの光庭が空間的に挿入されています。この光庭は天井と同じ高さで木のルーバーがかけられていて、採光と通風の役割をかねています。そしてさらにこれが均質な平屋の内部空間に変化を与える仕掛けのような役割にもなっています。

この構成、よくいわれる図と地の関係には、なっているようでなってないんですよね~。どういうことかというと、内部の光庭のガラスを通して、外部の自然があいまいに映りこむんですよね~。さらにそれが天井のプラスチックシートの素材に映りこんで、外の風景が室内にひろがってくるんですよ。その虚像っていうのかな、間接的な映像っていうのかな、それと実像が混在しあって、なんとも不思議な連続性を生む空間になっているんですよ。外の緑の風景がなんか内部に入り込んでみえるっておもしろいですよね!閉じることでこんな空間のひろがりが生まれたりするんだなあ。

光庭をカーテンで閉めることによる不透明感もまたいいですね。空間が光の柱によって分節されているように感じることができます。竣工後は光庭の植物が生長していくことでその空間がより曖昧に分節されていくというのもおもしろいですね。もちろんこれは日常から少しはなれた週末住居であるから可能な生活シーンかもしれませんが、その可能性を楽しく創造させてくれる空間だなあと思いました。

建築:ウィークエンドハウス

設計:西沢立衛建築設計事務所

建築作品を見た雑誌:新建築住宅特集199811月号

建築のある場所:群馬県

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