マラパルテ邸~絵になる魅惑的な住宅~

この住宅建築は、イタリア南部のカプリ島マッスーロ岬に建つ、ジャーナリスト作家、クルツィオ・マラパルテ氏のための別荘です。断崖絶壁に海に向かって建つ赤というかピンクな外壁が印象的ですね。何か魅力的なんですよね。この住宅建築。そのミステリアスなデザインは、マラパルテ氏自身の人生のように多くの建築家やアーティストを刺激してきました。

そんなマラパルテ邸は、イタリア合理主義の建築家アダルベルト・リベラによって1937年頃に設計され、1930年代後半の近代建築を体現しながらも、大自然と共存した傑作です!と、言いたいところですが、設計者については、アダルベルト・リベラによって設計されたという説と、マラパルテがリベラの設計案をそのまま採用せずに自分で手をくわえて設計しながら建設したという説の2つがあり、現在は後者のほうが有力説となっているそうです。ちなみに施工については、地元の石工の助けを借りながらマラパルテ自身が建設しました。マラパルテが石工の知恵をもとに推し進めた結果この住宅が生まれたのでしょうね。だからかそうなのか、この住宅の随所に彼自身の原風景が刻みこまれ、ピンク色の外壁や屋根からの大階段に象徴されるように、機能性とは一線を画した魅惑的な住宅が生まれたというわけだ。

さてこのカプリ島というロケーション。海が見える素晴らしいロケーション。サレルノ湾を一望する絶景が見渡せます。もうね、敷地が反則ですって。建ってる場所がほんとすごい。断崖絶壁。建物の建つ断崖は海面から32メートルも高低差ありますから。建物へのアプローチは、陸側と、ボートから崖に彫られた長い階段を登ってアプローチする海側の2つがあります。

この住宅の一番の特徴、それは屋上へ向かって幅を広げて上ってゆく大階段ですよね、やっぱり!岬の先端に自然を背にした野外舞台を作り上げています。この階段は、マラパルテ氏がムッソリーニによってリーパリ島へ流刑せられたとき、その監獄の窓から見えた教会の入口の階段がモチーフとなっているとのこと。赤い組積造の建物の上には、白い壁が弧を描いて自立しています。この曲面からなる壁は、風除けと崖の上からの視線を遮る役割を担っていて、この存在が意匠的にも建物のアクセントになっていますよね。

内部をみてみましょうか!リビングに開けられた4つの大きな窓の枠は、絵画の額縁のように造作されています。これが海の見える景色を絵画のように切り取るピクチャーウィンドウとなっています。内装は割り石の床に白い壁というシンプルなものです。そしてマラパルテのデザインの家具や曲面を帯びた暖炉、そして愛人用の寝室とバスタブ。愛人用って。。。

そうそう、この建築は、イタリアの巨匠映画監督ジャン=リュック・ゴダールの映画「軽蔑」(1963年)で主要なロケーションとして撮影が行われたことでも有名ですよね。私も見たことがあります。主演のブリジット・バルドーが階段を下りるシーンや屋上のテラスで横たわるシーンなどでおぼえていますね。映画好きな方であれば、そこに登場する別荘として知ったというかたが多いかもしれませんね。映画に出てくる建築ってのもまた面白そうだな。今度取り上げてみます!!

建築:マラパルテ邸

設計:アダルベルト・リベラ?or クルツィオ・マラパルテ?

建築作品を見た雑誌等:a+u 20016月号

建築のある場所:イタリア、カプリ島

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