テンペリアウキオ教会~岩肌を照らす神聖な光の空間~

ヘルシンキ中央駅から徒歩で20分ほど、真西方向へと歩いた先の閑静な住宅街の真ん中にあるこの教会は、別名「ロックチャーチ」とも呼ばれ、観光客でにぎわうヘルシンキ有数の観光スポットにもなっています。

その建築は、外から見ると、とても教会とは思えませんね。というのもなぜなら、この教会は周囲の住宅街から地続きでつながっている丘の頂上にあり、公園になっている丘を登って行くとそのままテンペリアウキオ教会の屋根にまで登れてしまうんですよ。まるで教会の屋根の上が、住宅街にある公園のようになっています。そんなこの教会は、氷河期から残る天然の小さな岩山をおよそ10メートルほどくり抜いて地下に造られています。何かヨーロッパの教会というと、バロック様式みたいな高い塔みたいなさ、そんなイメージを抱いたりしますよね。もうですね。全然ちがいます。教会内部は、ゴツゴツとした岩に囲まれています。そんな岩肌がむき出しになった教会に入ると、天井からは、まるで天国から降り注ぐような神秘的な自然光が祭壇を照らします。こんな教会、他に類を見たことありませんよね!観光客は年間およそ50万人もの人々が教会を訪れるとのことです。

そんなこのテンペリアウキオ教会、当時「できるがぎり自然の岩を残す」というテーマのもとつくられ、ヘルシンキの地層同様の岩石で覆われた特徴を活かした建築となっています。ティモ&トゥオモ・スオマライネンによって設計され、1969年に完成しました。地面からつき出した岩をくりぬいてつくられた教会の壁は、さきほども言いましたが岩肌がもうむき出しになっていて、花崗岩がきらきらと輝いています。教会の天井はドームでおおわれた直径およそ24メートルの銅板があり、そのまわりには天井を一周するようにおよそ180枚の天窓のガラスルーバーが放射状に広がっています。まるで太陽のかたちをあらわしているような銅板と天窓からこぼれる自然の光は、教会の中を明るく照らし、神聖な空間もたらしてくれます。それくらい天窓からさす自然光が神秘的で、静寂の中、光につつまれていると、心を安らかになります。よけいな装飾が一切ない自然の岩肌がむき出しのこの教会。そこにある光と陰影が、フィンランド建築のすばらしさを教えてくれたように思います。

教会の中央には、花崗岩をカットした祭壇と小さな十字架があります。およそ1000席ほどあるパープルの座席のかたわらには、大きなゴールドのパイプオルガンがあります。実は内壁、当初むき出しで残す予定ではなかったみたいですが、音響学者のアドバイスによってこのままの状態で使われることとなったらしいです。すごい決断ですよね。その削り出したむき出しの岩肌を残したことで独特の音響効果を得られ、パイプオルガンのコンサートでは美しい音色を聴くことができるそうです。市民にとってあこがれのテンペリアウキオ教会、週末には結婚式もひらかれているみたいですよ!

建築:テンペリアウキオ教会

設計:ティモ&トゥオモ・スオマライネン

建築作品をみた雑誌等:a+u マスターズ・オヴ・ライト第1巻20世紀のパイオニアたち

建築のある場所:フィンランド、ヘルシンキ

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