グラスハウス~自然と調和するガラスのパビリオンとアートのような建築群~

マンハッタンからおよそ1時間のニューカナンという街に、フィリップ・ジョンソンの名作、「グラスハウス」があります。

ハーヴァード大学建築学部大学院を卒業して2年後に、ジョンソンはこのニューカナンにおよそ2万平方メートルの土地を購入し、グラスハウスの計画に着手しました。お金あるなあ。。在学中に弁護士の父親から譲られた株が高騰して、巨額の富を手にしたとのことです。その広大な敷地に、グラスハウスのほか、14の建物やアートが絶妙なバランスで配置されています。50年間かけて、自分のために建てた家は、まさにジョンソンの生涯そのものでした。2005年に98才の大往生を遂げましたが、最後に息を引き取ったのはこのグラスハウスだったそうです。

ジョンソンがグラスハウスを計画しはじめていたとき、ちょうど同じ時期に、ミース・ファン・デル・ローエもシカゴで、エディス・ファンズワースの依頼により住宅の計画を手がけていたようですね。ミースのファンズワース邸とこのグラスハウス 、よく比較されているのも有名ですね。ジョンソンは、多くの影響をファンズワース邸受けていたということです。だからといってすべてが類似しているわけではないわけなんですけどね。

手入れの行き届いた芝生に囲まれて建っているグラスハウス、そのエッジのきいた直方体は、景観とのコントラストを見せてくれます。グラスハウスの主要な素材はガラス、黒塗りのスチール、レンガの3つです。高さ2.4メートル×4メートルあるガラス面は非常に大きいです。床面近くには小さめのガラスがはめられていています。その中央のガラス扉を開放すれば、建物内部に風をとりいれることができます。スチールはガラスフレームであり、構造体となっています。まるでガラス壁と骨組みの上に屋根がのっけられているかのように見えますよね。レンガは、床と、バス・トイレを囲むコア部分に使われています。外側には暖炉がありますね。天井まで伸びるレンガの円柱コアは四方どこからでも目に入ります。この円柱コアを空間に挿入したことで、軽快な壁面との対比がいい感じに際立っていますね!

そして内部にある木製の壁は、ベッドスペースと開放的なリビングを分けています。ジョンソンはここに寝泊まりすることもあったそうです。基本的にはここで毎日寝泊まりするのはきついですよね。これほど大きな敷地に立っていても、ほとんどプライバシーはありませんから。そこでジョンソンは芝生を挟んだ場所に閉じた建築をつくっています。ブリックハウスです。「ジョンソンはどこで寝ていたのか?」そうですブリックハウスで寝泊まりしていたらしいです。現実はそんなもんですよねwww

グラスハウスの完成後に追加された建物がまた楽しくて私は好きですね。その数々のアートや建築は敷地内に考え抜かれて配置されています。グラスハウスから池を見下ろしたところには、1962年にジョンソンがピクニックのために建てたといわれるレイクサイドパビリオンがあります。その向こうには1985年に建てられたリンカーン・カースタインタワーが見えます。他にも1965年完成のギリシャミケーネの墓にインスピレーションを得て地下に建てられた絵画ギャラリーや、1970年に完成したジョンソンの集めた彫刻コレクションのためのギャラリー。この空間はギリシャの小島にあるような白い階段に影響を受けたと言われています。まだありますよ。1980年に完成した図書室兼書斎は内部がワンルームとなっています。そこには窓が1つだけあって、遠くに1984年完成のゴーストハウスが見えます。そして敷地内に最後に建てられたのが、フランク・ステラの作品にインスピレーションを得て1995年に完成したダ・モンスタ。広大な敷地に建築と自然がおもしろいように調和して、芸術作品のようでした。土地に自由に自分のための建物を建てる。うらやましいかな、もう建築道楽ですよ!

建築:グラスハウス

設計:フィリップ・ジョンソン

建築作品を見た雑誌:世界現代住宅全集 19 フィリップ・ジョンソン グラス・ハウス(ADAエディタトーキョー)

建築のある場所:アメリカ、コネチカット

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