武蔵野美術大学4号館~正方形グリッドから生まれたキャンパス動線の核~

この建築は、東京・小平市にある建つ武蔵野美術大学の校舎です。ピロティから鉄筋コンクリート造の大梁壁が空中で直交する4号館アトリエ棟は、1964年のキャンパス竣工以来、多くの学生らに親しまれ続けた武蔵野美術大学の中心的な建築物です。

この建築においてはキャンパス計画から少しふれなければいけませんね。まず、キャンパス計画において、建築家がまずつくったのが、正門からまっすぐにのびる軸線でした。正門から一号館の建物をトンネルのようにくぐるようにして美術館へと続いています。この美術館は資料図書館でした。現在は新しく建て替えられましたがこの建築もすばらしかったですね。さらにこの軸を基準に南側が油絵や彫刻などのファインアート系、北側がデザイン系の校舎が配置されています。そして、もっともこのキャンパスの記念碑的存在としてあり続けているのが、4号館なわけですね~。

その4号館であるアトリエ棟は、与条件である「人、キャンバス、モデルに対して光はどのように関わるとよいのか?」を画家の目の感覚を通して、基本的な空間構成が検討されました。

そんななか生まれた4号館の建物は、とてもユニークな構成になっています。まず軸線上の広場からグランドレベルでつながる一階部分はピロティとなっていて、おもな教室が上部に浮いています。その地上階にあるピロティは7×749本の独立柱によって持ち上げられていて、1階には事務室や水廻り等が配置されています。

授業合間の休み時間になると、螺旋階段から学生たちが上下に行き交って、ピロティは学生たちであふれかえります。その螺旋階段をのぼっていくとそこには小さな広場があって、そこから3つの教室にアクセスできます。ピロティの上、2階には、6×636マスの正方形グリッドが展開します。その36マスは、「1つの螺旋階段、2つの吹抜け、3つのアトリエ教室」による6マスの1セットが、6つ繰り返される基本的なユニット単位とするシステマティックな構成となっています。つまり正方形6x6=36のユニットの中に「6つの螺旋階段、12の吹抜け、18のアトリエ教室」が組み込まれた明快な構成となっています。その各教室が中庭や吹抜けを二方向から取り囲んでいます。北側には妻壁が設けられ、南北にのびる大梁壁は光の安定性、そして遮蔽・日除けの機能も満たしています。

はい!もう一回キャンパス計画の話にもどりまーす。全体計画から4号館との関係性を見てみます。大学の正門から一号館の下をくぐって中央広場に至り、そこで左側にの4号館のピロティに入り、螺旋階段を上がると、三つのアトリエの前庭を構成する小広場に着きます。というシークエンスが生まれています。まさにこの建築には人と人が出会わずにはいられない仕掛けが散りばめられているんですよ!見事な計画ですねえ。建築ってすごいや!

この計画になった逸話、いや、うわさかな。岡山の「きびだんご」が入った箱から現在のかたちになったようです。こういう建築とは関係ないものがモチーフとして建築が生まれた話って好きですね!信じるか信じないは、あなた次第ということで(笑)。

この建物は、建設からおよそ40年以上もの月日が経ち、いろいろな問題が出てきました。そこで、学内外でさまざまな議論がなされ、改修し、リニューアルとなりました。主に独立していた基礎をすべてつなげ、耐震的な改修を行いました。今では、ピロティに新しくパン屋さんが入ったりなどして、お昼には長蛇の列ができていましたね。この建物は、このキャンパスの核としてこの大学のまさに記念碑的存在だと思います。残って良かったなあ^^。

建築:武蔵野美術大学4号館

設計:芦原義信建築設計事務所

建築作品をみた雑誌等:外部空間の設計(著:芦原義信、彰国社)、新建築196411月号、新建築20097月号

建築のある場所:東京都小平市

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