ガソメーターA棟~ガスタンクが複合施設にリノベーション!~

ガソメーターはかつてガスタンクであった構造物を、集合住宅・商業施設などへと転用したプロジェクトです。ウィーン中心から空港へと高速道路を走らせると、ドナウ運河沿いに一直線に並んだ4基の大きな円筒形の建築物が見えます。それがガソメーターです。外観上は基本的にはガスタンクの形状を保持しています。それだけで面白そうですよね!ウィーンのシンメリンクというところは、かつて首都の重要な工業地帯でした。この建物は、19世紀末に造られたガスタンクで、1986年には操業を停止しました。その建造当時ヨーロッパ最大規模のガスタンクだった歴史的建築は、1999年から2001年にかけて抜本的に修復されました。そしてその後、ウィーン市が検討をかさねた結果、店舗・住宅・オフィスとしての再生リノベーションされることになったわけです。

そのシンボルとも言うべき4基のガソメーターは、ジャン・ヌーヴェル、コープ・ヒンメルブラウ、マンフレート・ヴェードルン、ウィルヘルム・ホルツバウアーなどの有名な建築家達の手により生まれ変わりました!ガスタンクが産業革命後の発展を象徴するその歴史的な外観を保存しながら、ウィーンの新たな都市センターへと増改築されたのです!!それぞれのガソメーターは高さおよよ75メートル、直径がおよそ65メートルの規模!いやあ、すごすぎる。このことからもプロジェクトの驚くべき規模がわかりますよね。煉瓦むき出し、窓付き、一般的なガスタンクのイメージとはかけ離れてますよね。 4基のガソメーターは3階に設置されたブリッジで繋げられ、外に出ずに隣のガソメーターへ移動できるようになっています。またウィーンの中心地シュテファン寺院広場の地下鉄駅からU3路線でガソメーター駅までおよそ8分ほど。新たなショッピングセンターへは雨の日にも傘など不要でアクセス可能です。

新たな都市センターには、615ものモダンな集合住宅や催し物会場のほか、学生寮、映画館、ウィーン市とウィーン特別州の文書保管所などが設置されています。またガソメーターの地上階には合計およそ22000平方メートルものフロアにショッピングモールがあり、およそ70の店舗がオープンしています。

その中で ジャン・ヌーヴェル はA棟を担当しています。下の階には商業施設、上の階には集合住宅が計画されています。商業施設と集合住宅の間には、透明のガラスが入ったトップライトがあり、トップライトを通して相互の空間をながめることができます。上階の集合住宅には、既存建物の中に既存建物のカーブに合わせてドーナツ状に配置されていて、その中央が吹き抜けになっています。その中央部の中間をトップライトで仕切り、商業施設を見下ろすことができます。そして、最上部開口部には、ドーム型のガラス張りの屋根がかかっています。いやはや圧巻ですね~。完全 に改築するのではなく、塔の内壁に寄り添うように、居住棟をつくっているのがいいのかなあ。大規模な建築にもかかわらず、ガラスのトップライトやガラスとスチールを多用した構造によって、軽やかな印象を与えますね。住んでいる人たちの話も聞いてみたいですね!

建築:ガソメーター

設計:アトリエ ジャン・ヌーベル

建築作品をみた雑誌:a+u 20146月号

建築のある場所:オーストリア、ウィーン

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする