ダブル・ハウス~断面がかみあいながら解決する住宅~

このダブル・ハウスをと名づけられた住宅建築は、オランダの建築ユニット集団MVRDVが設計した2世帯住宅です。 この敷地の周辺には、19世紀ころにつくられた華麗ですばらしい公園があります。その脇を通る郊外のストリートに対して、この住宅は面しています。住宅は開口を通して向こう側が見えるくらいの薄い直方体型の建築になっています。そして、2世帯の家族それぞれの空間が互いにまるでパズルのように入り組んでいる断面形状が特徴的です。これ、それぞれの家族の要望に対しての平等性に配慮した空間構成なんですよ!

この敷地は、独立した2つの家族がシェアしています。そこに建築を建てるにあたって彼らの要望は、どちらの家族も、隣接した公園が一番美しく見える眺望をそれぞれ獲得したい、そしてかんたんに通りや庭に出入りしたい、というもの。建築家もどちらの意見も聞かなきゃいけないからたいへんってなもんですよね。そこで、建築家は、庭を最大限に残すために、住宅の奥行きを可能な限り、浅めの設定をして、全体の建物を5層にしました。ここの案でミソは、断面的にそれぞれの住宅がかみあったボリューム関係をつくっているということですかね。両方の世帯が壁をひとつ隔て、そして断面的に入り組んだ構成がおもしろいです。それぞれのリビングスペースは、ファサードに沿ってのび、公園に対しての眺望をもたらしています。寝室はそれぞれの家の最高階に配置されて、しかも壁面でおおわれている構成は、家のなかに家がある入れ子状態となっています。

というわけで、この住宅には同じであって完全なる相違が共存した建築となったのです。たとえば、片方の家族の住人が庭にいるときは、もう片方の家族の住人がリビングにいて、公園の景色をゆったりと眺めていたり。または片方の家族の住人がこども部屋の奥にあるサロンスペースにいるときは、もう片方の家族の住人はその上の仕事場兼アトリエで作業しておいたり、その物音や雰囲気がこっちの家族なのか、それとも向こうの家族なのか。ってね!これでけんかなしということで(笑)。この断面の関係性は、最初は戸惑いをみせた双方だったようですが、思った以上にその共用した関係性を感じながら、生活を楽しんでいるようです。共に住むってそういうことなのかもしれませんね。やれやれ、めでたしめでたし!

建築:ダブルハウス

設計:MVRDV

建築作品を見た雑誌:a+u MVRDV

建築のある場所:オランダ、ユトレヒト

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