スタールハウス(ケーススタディハウスNo.22)~景色が無限に続く天国のような住宅~

この住宅は建築誌「アーツ&アーキテクチャー」が1945年~1966年にかけて行った企画の実験住宅であるケーススタディーハウスのひとつNo.22として建てられたものです。ケーススタディーハウスとはなんぞやというと、これは第二次世界大戦後の住宅需要期に、効率的でローコスト、生産的な実験的住宅として、建築家が新しい住宅アイデアを発表し、それを見て気に入った読者がそれを建てられるというプロジェクトでした

その中で有名なの建築家ピエール・コーニッグによるこのスタールハウス。この住宅はビバリーヒルズのロサンゼルスを一望する高台に建ち、建物の3面がガラスで覆われ、まるで宙に浮いているかのような住宅です。丘の上に建った住宅からロサンゼルスの街を見渡すことができるロケーションは、テレビや映画、CM撮影場所としても度々使用されています。一度はどこかで見たことのある人も多いはずです。ピエール・コーニッグはもともとマイナーな建築家であったのですが、この建築を撮影した写真が彼を一躍有名にしました。これを撮影したのがジュリアス・シュールマンという建築写真家で、この写真は彼の代表作でありまたこのコーニッグの住宅作品を代表作にまで位置づけたというわけです。メディアってすごいね!

施主であったスタール夫妻は、1954年にこの土地を購入しました。敷地は素晴らしい眺望を持つ一方で、建築をするのがとても困難であるという難題を抱えていましたその後夫妻は試行錯誤の末、当時32歳の若き建築家ピエール・コーニッグに出会います。スタール夫妻270度の眺望があることの要望に対し、この土地の建物の案として、彼だけが大胆なキャンティーレバーの建築を考えました

道路側は一切窓のない壁のみの外観で、内部の様子を伺い知ることはできません。しかしですね^^カーポートから扉を開け一歩その中に入ると、目の前に息をのむ絶景が広がります!向こうにはロサンゼルスの空に向かって広がるリビング!プールは空をうつし、まるで空中に浮いているような感覚を覚えます!日差しを遮る深い庇が水平線を強調して、内部空間にひろがりを与えています。視界の先には外部空間がどこまでも無限に広がっていて天国ですよ。そこはもう!!

L字型をした建物の片側にはベッドルームとバスルームのプライベートなスペースがあり、もう片側にはLDK配置されていますそしてすべての居室がプールに面しています。玄関にあたる部分は無く、プールサイドから橋を渡り、各々の居室にアクセスできるようになっています。廊下は一切ありません。キッチンはコア状になっていて、両側のガラス面との間に通路があり回遊できるようになっています。

コーニッグはこの住まいのことを鷲の巣と呼んだそうですが、うなづけるほど空間に特別感がありましたね。室内のインテリアはシンプルですが、そこにある環境や景観と一体となって暮らしは何にも変えがたいものになっているはずです!

建築:スタールハウス

設計:ピエール・コーニッグ

建築作品を見た雑誌等:ケース・スタディ・ハウスプロトタイプ住宅の試み(監修:植田実、岸和郎)、カリフォルニアスタイル Vol.4

建築のある場所:アメリカ、ロサンゼルス

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