軽井沢の山荘~森の中にたたずむ小さな山荘~

この建築は軽井沢の森の中にあります。近くには川が流れていて、敷地のすぐ南東側はその川に向かって崖状に下っていく地形となっていますその豊かな森の中に、いかにも山荘というにふさわしい建築がひっそりとたちさりげなく存在している。まわりは自然に囲まれていて、ほんとうに山荘というにふさわしいロケーションですよ

自然に溶け込んだシンプルな外観がとてもいいですね。1階のコンクリート造部分2階の木造部分、そして屋根のバランスが絶妙なプロポーションをつくりあげています。アプローチから見上げるようにそして、少し斜めに配置されているのかな。人のアプローチを配慮して、見栄えのする角度で上手に配置されています。

屋根形状はシンプルな流れとなっていて、90センチほど出ています。窓は枠がポコっと外に飛び出ていて小さな庇がついています。手すりや窓、戸袋の大きさや煙突など、住宅を構成する部分同士のバランスもいいですね。外壁は木の縦桟が陰影をつけています。また外壁には、キツツキが巣をつくるので裏側にトタンが張られています。作り付けのポストも建物の形に似ていてかわいいですね。この建築には、やかな設計が至る所にちりばめられていながらも、ちょっとした遊び心が垣間見えます。

ピロティのような玄関前の深い軒下空間には快適さの魅力がつまっていそうです。この基礎コンクリートの高さは、雪もあると思いますが、特に別荘建築で、湿気対策も考慮するとかなり実用的ですよね。地面付近の湿気が異常に多いため、この山荘のコンクリートと木造部分の構成は、湿気対策としても理にかなっています。片持ちのポーチ部分も、コンクリートだからこそそれだけのスパンを飛ばし、無駄のない効率的な空間づくりとなっています。そこから生まれるコンクリートスラブの軒下空間は、コンサートやバーベキューなど、交流の場として考えらいます。なんか守られた安心感があります。いろいろなことができそうな空間ですね。楽しそう

内部空間スケール感がいいですね。部屋の高さや大きさ寸法を抑えるべき部分は抑え、広つくるべきところはできるだけゆったりつくる。そんな人の寸法を知った上でのメリハリの付け方がもう抜群ですね。居住部分はコンクリートのピロティに乗って、2階に持ち上げられることで、まわりの木々に囲まれ自然と一体になった浮遊感を感じることができます。土による汚れの持ち込みや砂ぼこりから逃れたこの空中の木々との関係性がいいですね~あこがれます。しっとりとした緑の瑞々しさだけが内部に入ってきます。居間から少しだけ突き出ているバルコニーは空中に2階床を連続していくみたいに感じます。またこの屋根上には林の緑を2階以上に満喫する小さな物見台が作られています。そこは屋根もなく、壁も低く、森林を純粋に満喫できる居場所となっていますよいいなあ。これも。

この建築は、小さいながらも本当に見所が多いですね。平面も、断面も、絶妙に計画されていて無駄がなく、見事に出来ています。また、ディテールも見所満載です。建築家は空を見上げて、木々の緑が目に入った時、この木の上で、鳥になったような暮らしができる家をつくろうと思いついたようです。そんなコンセプトから、この山荘が設計されました。設計プロセスの中では、山荘というものは、自然とともにあることが感じられる質素で、気持ちのよい場であること、という考えが軸となっていたようです。余裕があって、無駄がない。簡素にして、品格あり。奇をてらわずに、単純明快であれ。う~ん。シンプルで深いお言葉。建築にとって大切な要素がこの別荘にはつまっています。多くの建築を志す人達から賞賛を受けているのも納得とうなづける作品です

建築:軽井沢の山荘

設計:吉村順三

建築作品をみた雑誌等:吉村順三作品集(新建築社)、小さな森の家軽井沢山荘物語(著:吉村順三、建築資料研究社)、吉村順三のディテール住宅を矩計で考える(著:吉村順三、宮脇檀、彰国社)

建築のある場所:長野県北佐久郡軽井沢町

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