ヴィトラ社消防ステーション~パースぺクティブが効いたクールな建築~

この建築は、ドイツのヴァイル・アム・ラインというまちにある消防署だった建物で、ザハ・ハディドドの実作第一号です。 実はこのまちには家具メーカーとして有名なヴィトラ社に関する建物が、ザハ・ハディド をはじめ多くの著名建築家たちの手によってつくられています。というのも、昔起きた大火災をきっかけにヴィトラ社の工場はその火災によって焼失してしまいました。そしてその各棟の建て替えを著名建築家にデザインしてもらおうというのがはじまりとのこと。

そしてそもそもなぜにヴィトラ社の消防署?というのは、近隣に公共の消防署が無かったために工場で火災が発生した場合に迅速に対応するための消防署として建てられました。工場敷地内に専用消防署をつくったとはすごい!近年では近くに公共が建ったということで、この建物はお役御免!現在はヴィトラ社のイスのコレクションが展示されたり、イベントが行われるスペースになっているそうです。

しかしながら私がこの建築をはじめてみたときは超かっこいい消防署だなー!と思いましたね。実用的かどうかはともかく、シャープで斜めっていてカッコイイですね~。鋭角を多用した個性的なフォルムが初期のザハらしさを感じさせます。

建築は切り裂くような空間、形態をしています。コンクリート造の打ち放し仕上げで、建物に傾斜がついています。カクカクとしたコンクリートの板が何枚も合わさったようなカタチは何か刃物のように鋭利です。それにしても庇のスラブが薄いこと薄いこと。でもカッコいいです!

建物としては、4棟の三角形に近いボリュームを微妙にそして複雑に寄り添わせ、そしてずらしながら配置されています。外壁は傾斜していて、開口も斜めに切られています。何かふつうに見てもパースかかっているように見えるまったく不思議な建築です。内壁ももちろん斜めになっていて、流れるように方向性をもったベクトルがこの建築の大きな特徴であります。この異常なパースペクティブは感覚がくるうわ~。実際働いていた人で、感覚弱い人はぜったい気持ち悪くなったと思うわ~。傾斜のデザインが特徴のトイレ。落ち着かないわ~。

消防車を停車していた車庫内は、レセプションホールとして使われています。天井や壁、窓外のルーバーなどは水平ではなく、斜めに傾いています。だから見る角度によっても内部のプロポーションがぜんぜん変わるんだな~。

建築家はいつのころからか、後に有機的な丸みのある曲線を多用した動きある空間をつくりはじめ、デザインをシフトチェンジしていきました。でも私としては個人的にはこちらのデザインの方が好きですね!!

建築:ヴィトラ社消防ステーション

設計: ザハ・ハディド アーキテクツ

建築作品をみた雑誌:199310月号

建築のある場所:ドイツ

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