ヴィラ・タラヴァ~敷地特性と建築構成から生まれる造形~

この住宅建築の敷地は、パリ郊外のセーヌ川やブローニュの森、パリ市街の方向に急勾配をつくる丘の上にあります。この周辺はモネの絵画のような風景と19世紀頃の家々が並んでいます。

建築の外観は東西軸に走っているコンクリート壁に敷地と一体となったガラスの空間、そして、その上部と敷地に乗っかっているような居住ボリュームによる明快な構成となっています。異なった素材をそれぞれ用いられていて、その対比しながらも敷地全体を住宅ととらえた姿が特徴的です。そして屋上には眺望豊かなプールがあります。こりゃあいい!!

敷地は、東西に沿って3つの段差ができている狭い傾斜地。建築は、道路レベルにあるガレージとそのアクセス、斜面の庭、住宅部分の要素によって構成されています。また、樹木、塀、斜面に囲まれていて、この建築はその敷地の特徴を空間構成に大きく影響したものになっています。

この建物の施主の要望は、両親用と娘用の2つの居住空間を用意すること、そして屋上にプールを設けること、そのプールからは遠くにみえるパリの市街地を眺望できることであったそうです。そこで建築家は、敷地を植物と地形に囲まれている部屋と考えることからはじめました。

エントランスへは敷地を一段上がり、居住ボリュームを支えているブラックとグレーの鋼製柱の間をくぐってアプローチします。細長くランダムに配置されたその様相は林のようですね。ガレージは1階部分の傾斜した敷地部分に埋められていて、スロープ状になったアスファルトで舗装した庭の一部を道路レベルからアクセスできるようになっています。

住宅は 庭と遠い都市の眺めのために方向を向けて配置されています。リビング、ダイニング・スペースはガラスに囲まれたパビリオンのような空間となっています。庭と部屋が連続していて、内部が庭の一部のような空間となっています。その中でキッチンはリビング・スペースのコア部分にあり、曲線を帯びた半透明の壁に囲まれて、庭からの視界より、リビング・スペースをおおい隠す役割を担っています。

リビング・スペースにある片持ち構造の階段はリビングルームから上階の居住空間へのアクセスとなります。リビングの上部にある居住空間は、東西に立ち上がっている住宅のコンクリート壁からの片持ち梁によって浮いているようにみえます。2つの住居ボリュームは、シルバー、赤と、それぞれ色の異なる水平方向に向いた波形金属板で対比した立面となっています。2つの居住空間はパリ市街地への眺望をいかす向きに配置した構成となっています。洗面所は、外壁からおりかえされた不透明ボリューム部分に配置されています。

そしてお待たせしました!プールは、建築のメインボリュームの屋根レベルをしめています。エッフェル塔が遠くに望める屋上プールって、なんか最高ですね。どんな気持ちなんだろう。夜泳ぐ写真があったんですが、いいわあ。これ!腰の高さくらいまである手摺が屋根の水平をより強調していますね。

こういう建築構成と敷地の使い方が、表現として明快に感じる建築は魅力的ですね。かたちのバランスも何か絶妙なんだようなあ。でも構成がシステマチック過ぎではなくて、素材の上手な使い方によって人が生活する光景とうまく折り合っているんですよね。そしてそこから生まれる建築に対する考え方がまた魅力的な言葉のチョイスで語られる。そこがこの建築家が様々な国の建築家にリスペクトされる理由なのかなあ。

建築:ヴィラ・タラヴァ

設計:OMA

建築作品をみた雑誌:a+u OMA

建築のある場所:フランス、パリ

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