天神山のアトリエ~建築空間が育てる自然環境~

群馬県高崎市の幹線道路沿いに建つこの建築は、何とも不思議な住居兼アトリエです。何かもう、この建築ものすごいです。

何がすごいかっていうと、建物は4枚の180ミリ厚の鉄筋コンクリートの壁で囲まれています。そして天井を見ると、おお!屋根はガラスだ。明るい!天井は全面が飛散防止フィルムを貼った強化ガラスのトップライトになっています。ちなみに壁の最高高さはおよそ8メートル。木々が成長しても枝葉に支障のない高さとなっています。空間はとても天井が高い容積のあるワンルーム空間。そして、床だ。ぱっと見ると土だ。砂だ。地面は建物の内外とも真砂土となっていて、歩く場所だけセメントを混ぜて突き固めているとのこと。なんか安部公房の小説「砂の女」の家をイメージしてしまいますね。じゃりじゃり。そんな地面から樹木がはえているぞ!室内に樹木が植えられているのだ。他にも多くの植物が建物の内外に植栽されている。原始的、というか、原始人でももっと外部を覆うのではないかなと思う。まるで敷地に建築のカバーをカポっとかぶせたようなほんとシンプルな空間操作でこの建築が成り立っているように見えますね。もうこの内部はもはや外部みたいだ!!

設計者は、棲むために箱をつくって、まちとつながりたいから窓を大きくとって、空を内部から見上げたいから、天井を透明にして、木陰を落としたいから樹木を内部に植えたとのこと、樹木を植えるためには床は土になります。だから土にした。大きく育つように天井は高くしなければ。そんな設計意図は明快であって、そこにハードルをもうけることなく純粋に建築を設計しているという印象がこの建築表現にありますね。おそらく写真から容易に推測はできますが、ここの場所は、建築家、つまり設計者の設計事務所スペースであるということなのでしょうね。ここまで極端に空間をつくると、もちろんそれに対する不満もあるでしょうが、それ以上の発見に満ち溢れているような気がしなくもないですね!実験建築ですね!!本棚は木のように高く作られて配置されています。自然の中にポンっと机をおいたようなオフィスが何か居心地とかそれ以前に楽しそうだ。

四周にある開口も大きいですね。内部と外部に境界がないような空間とはまさにこれだ。そうにちがいない。こんな内部だけど外部という空間にはあこがれますね。ちなみにそういう空間で私があこがれるイメージはジブリのアニメーション「風の谷のナウシカ」にでてくるナウシカの秘密の部屋ですね。あんな雰囲気がこの大きな天井高さの空間にはありますね!これ、たぶんうまい具合に室内にインテリアとして水も流れるようにするといいんじゃないかなあ。そうするとナウシカの部屋に近くなりそうだし^^。

夏は日差し強いのかな。内部はもっと暑いのかな。まあいろいろ気にはなりますが、いろいろな植物に囲まれていて、通風によって共に葉や枝がゆれてこすれる音だったりとか、花や葉の匂いが感じられたりとか、なんとも気持ちよさそうではありませんか。

この建築はそこに育つ環境、土地をダイレクトにうつす器になっています。そこには、そこに棲むものがみつけることのできる。建築の中に育つ自然があるはずです。日々変化する建築と共存する自然と風景それらと共に生活している生き方そのものが、とても面白いですね。さあ、この建築は年月を経てどんな建築になるのだろうか。とても楽しみですね!

建築:天神山のアトリエ

設計:生物建築舎

建築作品をみた雑誌:新建築20113月号

建築のある場所:群馬県

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