建築の本おすすめ5作品(安藤忠雄編)

今回は安藤忠雄に関する本を取り上げてみます。多いですね。彼に関する出版本。でも彼の本は、難しい言葉をつかっていなくて読みやすいです。そしてその言葉が率直で熱いので入ってくるというか。自分の表現がうまいのでしょうね。経歴のみせかたとかもね。さすが大阪人。商売上手!(前回も1冊取り上げていますが、これは本人が書いているわけではなかったので違うジャンルで仕分けしてみました)。

1.建築を語る

 (著:安藤忠雄、東京大学出版会)

はじめて読んだ 安藤忠雄の本ですね。建築を独学で学んできて、世界の第一線で活躍するようになった安藤忠雄。そんな彼は、日本の最高学府である東京大学の建築学科教授に迎えられます。本書はその大学院にて学生に向けて行われた講義をもとにつくられたものです。講義がもとになっているので読みやすいし、その言葉からダイレクトにメッセージが伝えられているような気がしますね。彼の半生を語っている本はいろいろあります。私もいろいろ読ませていただきましたが、だんだんと内容がかぶっていることが多いので読まなくなりました。なのでこのはじめて読んだこの本はそういううえで、はじめて安藤忠雄の言葉が入ってくる瞬間という体験をしたせいもありますが、初期の本なのでより話が荒削り感があって、熱さがあって、心に訴えかけるものがあるような気がします。

2.連戦連敗

 (著:安藤忠雄、東京大学出版会)

こちらも東京大学での講義を本にしたものです。安藤忠雄本の中で私はこの本が一番好きかな。何がいいって、コンペの話が私は大好物なのです。世界の建築家が真剣に創造力で競い合っているような話が。建築家の天下一武道会みたいですきなのです。そんなコンペの話がいい。真剣に戦いに挑んでいるのが文章から伝わる熱量がこの本にはあふれている。コンペの勝率は良くても1、2割。安藤忠雄という建築家でしてもだ。もしかしたら今はもう少し勝率は高いかもしれないけど。そして負けても負けても挑戦する泥臭さがいい。その真剣勝負からでこそ生まれる創造力がある。すばらしい言葉だ。熱い。そして深い。そういえば話がほんのちょっとだけそれますが、連戦連敗ということからそれに近い言葉。それは野球選手イチローが、日米通算4000本安打を達成したあとの会見での言葉「4000のヒットを打つには、僕の数字でいうと8000回以上悔しいおもいをしているんですよね」。深い。かっこいい。そうなんだよ。続ける。挑戦するから。積み上げられて構築していくんだよな!話がそれたわりにはいい話ぶっこんだでしょ!!そして久しぶりにこの本について語らしてもらって感じること。それは世界レベルのコンペはレベルも高いが公平だ。日本のコンペは何か違う。他の部分が見え隠れする。そんなんじゃ日本の建築文化はよくなっていかないよな。と思ったり。いかんよ日本!

3.

(著:安藤忠雄、住まいの出版局)

安藤忠雄はもちろん家もたくさん設計している。その彼の家に対する設計のスタンスやエピソードが書かれているこの著書。それよりもなによりも、かれの住宅作品がコンパクトにプラン、写真、テキストといっしょにまとまっているのがいい。彼の住宅作品が資料的におさまっているので、その作品集を鑑賞しながら、その仕事から彼自身の考え方や哲学を読み取ることができるんですよ。

4.建築に夢をみた

 (著:安藤忠雄、NHKライブラリー)

文庫本です。割と誰にでもわかりやすいように一般的な書き方をされています。はじめて安藤忠雄本を読む人はこれから読んでみたらいかがでしょうか。コンパクトに彼自身の体験や勉強されてきたことが語られていて読みやすいです。特に彼自身が旅などで触れた建築について語っているところなんかは、建築学生にはちょうどいい建築の勉強のとっかかりになると思います。大学の先生のつまらない話を聞いているよりよっぽど面白いし、頭に入ってくる。おそらくそれは、彼が建築に対して強い情熱をもっているからにほかならないと思います。

5.仕事をつくること 私の履歴書

 (著:安藤忠雄、日本経済新聞出版社)

この本は、購入したお金が東日本大震災に関連したものに寄付されるとのことで買った本です。ちなみに、そのときちょうどご本人がいらっしゃっていて、本にサインをもらって、叱咤激励的な言葉をやりとりさせていただいたので、まあ思い出深い本ですね。この本は日本経済新聞の朝刊に連載していたものをまとめたもので、一番エッセイ的な文章になっていてさくっとライトに読める内容になっています。14と多少内容もかぶっているところもなきにしもあらずというところもありますが、文章がこなれてきているのでほんとさくっと読んでみてくださいという感じですね。

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