国立代々木屋内競技場~構造造形美が際立つ日本代表建築!~

この建築は1964年に開催された東京オリンピックのためにつくられた大小二つの体育館です。言わずと知れた建築家丹下健三の代表的作品であり、戦後日本の代表的建築であるのではないでしょうか。いやいや、それどころか、日本の建築のレベルを世界の水準にもっていった記念碑的な建築として崇拝していい建築作品であり、丹下健三という日本人建築家を「世界の丹下」とたらしめたわけです。すげえ。行ったことがあるかたも多いと思いますが、もう建築のもつオーラというかパワーがすごい。何か心を動かされるものがある。それがこの建築にはあります。まあ、でもそれはそうでしょう。この建築は、東京オリンピックのため、日本の代表的建築となるためにして造られたのですから

かたつむり?UFO?のような圧倒的な存在感があるこの建築。この建築の屋根は、柱で支えられてはおらず、ケーブルで吊り下げられています。この体育館の吊屋根は、吊り橋と同じ技術を用いて構成されているんです。これらによって、巨大な空間を支えるケーブルとコンクリートには大きな緊張感を生み出し、よりこの建築の強さたるものを際立たせています。

この吊屋根構造最初に考えたのは、丹下健三も崇拝していたという20世紀最大の建築家ル・コルビュジエ。その幻のコンペ作品「ソビエト宮殿 」というものがあります。この作品は、巨大な劇場を構成する屋根を大きな梁と放物線アーチによって吊り下げるという世界を驚愕させる提案をしました。しかしながらこの作品、どうやら当時では前衛的すぎたようで落選。実現にはいたりませんでした。丹下は崇拝していたル・コルビュジエへのオマージュとしてこの巨大な吊屋根の体育館を作り上げ、実現しようとしたのでしょうか。

引き続き建築をみてみますと、国立代々木屋内競技場はふたつの体育館があります。大きいほうの第一体育館は2の柱から小さいほうの第二体育館は1本の柱から、屋根全体が吊り下げられています来場した観客競技集中してもらうために考えられた、内部に柱が立っていない構造となっています当時では世界で例をみないものであったとか。そのケーブルが描く曲線は、とても美しい構造美をなしています。そしてこれらによって、空間に壮大な大きさをもたらしています。迫り上がるかのような湾曲面で構成された大屋根は、建築に強い求心性と外に向かって開こうとする遠心性をかねそなえた空間をつくりだしています。第二体育館支柱の周りをぐるりとケーブルが回ってらせんをいています内部空間のらせんからみ合うトップライトからは光が神々しく降り注いでいて、その求心性の強い天井が体育館というかまるで教会建築のようです。

吊構造による構造的必然性から生まれた形態、その力強さを芸術的に表現した建築です。まさに格言より、「形態は機能に従う」でしょうか!建築が総合芸術と呼ばれる所以です。そして当時で最新の技術を駆使してまだ世界が見たことのない新しいものを作り上げる。日本独自の技術において現代建築はいかにあるべきかという野心にあふれた建築。そのような歴史的象徴性を背後に受けながらこの建築は存在していますね!この建築からはそんな強い想いを感じ取ることができます。この建築が東京オリンピックの機会であったことは偶然ではなく必然丹下健三は日本の現代建築を世界に発信しようとした作品なのです。さあ2020年東京オリンピックをむかえるにあたって、この建築を超えるものはここ日本においてできるのでしょうか!!

建築:国立代々木屋内競技場

設計:丹下健三建築・都市設計研究所

建築作品を見た雑誌:新建築196410月号、丹下健三(鹿島出版会)、丹下健三(新建築社)

建築がある場所:東京都

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