M邸~ポコッと点在する下町を抽象化した庭付白ボリューム~

東京都内の下町に建つ集合住宅です。古い住宅街を歩いていると、ポコポコと大小白いボリュームが突如出現します!

建築家は賃貸の集合住宅とお施主さんの住宅をひとつの敷地の中につくることが求められました。

お施主さんは、ローンで住宅を建て、最初は賃貸部分は誰かに貸して、ローン返済後は賃貸部分を自分の家族で使うことを想定されていたそうです。ローン返済に従って入居者を減らし、その分自分の家の範囲を広げて最終的には全体を自分の家にする。都内ではそういう家の建て方をしている人、今ではけっこう多いみたいです。家賃でローンを返済するっていうね。まず建築家は12階が賃貸で3階にオーナーが住むという典型的な形式を考えたそうです。最初はひとつのボリュームで建てようとしていたようですが、周囲に対する建物からの圧迫感が周辺環境となじまないので、1階、2階 3階の大中小ハコ10個に分散させたそうです。発想が柔軟!!

できた建築は、敷地の中にいろいろなボリュームが並んでいます。集合住宅のような、住宅のような建物というか関係性というか。都市にある集落、建築の中にあるまち、村?周辺の下町のボリューム感や路地を現代建築の抽象化したカタチで継承したわけですね。何か表現がアートだ!建物とすき間、路地の関係がいいですもんね。接道部分どこからでもアクセスできるようにして、ざまざまな関係性を用いて住空間を豊かにしています。

バラバラなハコで配置されている賃貸の部屋。同時にひとつひとつに庭を与えて、賃貸住宅で専用の庭を付けてあげれば、それが売りになるのではないかと建築家は考えたそうです。点在させることでそれぞれの住宅に地面の庭がついてきます。部屋や庭との関係やいろいろあって生まれる住空間がつくられています。部分的に畑にしたり樹木を植えたり。外部も部屋の一部のように使われているのもおもしろい!住宅ごとの関係と、庭、外部の関係性が楽しくなりました。住宅にある大きな開口がよりその相互の関係性を強めていますね。

部屋の種類もいろいろ!ワンルームでガラスの廊下で繋がった、離れみたいなお風呂がある部屋、リビングが吹き抜けていて地下にお風呂がある部屋、屋上テラス付きの部屋、1階がリビングダイニング、2階が寝室、地下にお風呂がある部屋、1階がダイニング、2階がお風呂、3階が主寝室の3階建ての部屋。自分ならどれにしよう!オーナーさんの住宅も分散されていてなんかおもしろい!住宅には梯子でしかいけない不思議な部屋があったり、離れのお風呂があったり(冬寒そうww)、2階の倉庫の天井は頭が着くぐらい低くて、でも反対に3階の天井高は3メートル以上あったり!遊び心満載!!お互いの庭を共有して会話、バーベキューなどを楽しんでいたり、外部や内部にアートをおいて展覧会を期間限定で行っていた写真も以前拝見してとても楽しそうでした。

家であって美術館。いや美術館みたいな場所が家?もうよくわからない。とにかくおもしろい!

おおらかでのびのびした関係性が生活のひとつとして成り立っているのは不思議な都市生活の光景ではありました!建築として今どんな成長を遂げているのでしょうね!路地の樹木が成長してさらにいい感じな関係性をつくりだしているんでしょうね!!

建築:M邸

設計: 西沢立衛建築設計事務所

建築作品を見た雑誌:新建築20062月号p108-122

建築がある場所:東京都

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