ボルドーの家~動く部屋がつくりだす生活のかたち~

フランス、ボルドーのまちを見渡せる小高い丘にこの家は建っています。

交通事故により車椅子生活となったお施主さんのために建築家が考えた提案は、3×3.5メートル四方(およそ6畳くらい)のエレベーターで上下階を移動するというもの!

中庭は螺旋状に緩やかな傾斜がついています。住宅はというと、異なる役割をもつそれぞれの住宅空間ボリュームが3つ積み重なって空間は構成されています。下階の家族の密な空間、一部はまるで洞窟のような空間になっていて四角いシンプルな外観からは想像つかない複雑さをもっています。

上階に上がっていくと開放的な家族のための空間があります。そしてそれらの階を貫くようにステーションと呼ばれるエレベーターが各階を移動します。まるで舞台装置のように!エレベーターを単なる上下の狭い移動手段でなく、エレベーター自体を「動く部屋」として扱っているところがこの建築のおもしろいところ。そのステーションとよばれる機械設備が建築のかたちを決定する中心となっているわけです。見ると書斎のような部屋の一角が、床ごと上下しています!箱型でないエレベーターは、各階の床にぴったりはめ込まれたように停まります。階段などを使わずに邸内を自由に移動でき、縦の動線となる吹き抜け空間の側面は上から下まですべて本棚になっています。

家の中央は下から上まで本棚のライブラリーとなっています。床を任意の位置で止めれば、車椅子に座ったままでも本に手が届くようになっています。本棚の掃除や整理、本を探すのにも便利そうですね。

このエレベーターの移動によって生活に変化が起こり、移動中にその変化をかいまみることができる。それらの階をステーションによって変わることで建築、そして、家族の生活のかたちが変化します。不規則な螺旋階段や壁に穿たれた大小の丸い窓など、遊びごころ満載のデザインも楽しいです。

そんなこの20世紀を代表する名作住宅を家政婦目線で語っているというドキュメント映画があるそうです。今度見る機会がありましたらこのブログでお伝えしようと思います!

建築:ボルドーの家

設計:OMA

建築作品を見た雑誌:a+uレム・コールハース

建築がある場所:フランス、ボルドー

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