金沢21世紀美術館~街と一体化する公園みたいな美術館~

この美術館は金沢市の中心部に位置します。敷地周辺に市役所県庁、そしてあの有名な兼六園があります。市の中心に建てるということで、人びとが気軽にアプローチできる場所として市民が交流を行えるための交流ゾーン、そして展覧会が行われるための美術館ゾーンを併せ持つプログラムの美術館が求められました。その結果、誰でも気軽に立ち寄れるような公園のような開かれた美術館となっています!

コンペの段階では美術館と交流館を別々に建てるというプログラムだったようですが、別々に建ててしまうと、交流館に来た人は美術館に行かないのではないかと思い建築家はそれを合体させて建てることを提案したとのこと。合体させることで両プログラムの交流が起こるのではと。発想面白いさすが!

三面道路の敷地だったことから、どこからでもアクセスしやすくするように表裏のない円形の建物となっており、4つ方向に向けてエントランスが設置されてあります。空間構成は有料の美術ゾーンを円形の真ん中、無料の交流部分は外周部分となっていて、人がどこから来てもお金を払わずに中に入り、通り抜けることができる美術館になっていますここが一番私が好きなところ!というかこれって画期的なのでは!!

美術館の内部は様々な大きさをもった四角い空間のひとつひとつがそれぞれが連続せずに点在し、展示室あるいは中庭となっています。それが順路を規定しない自由な空間ともなっています。中庭は基本的には有料ゾーンと無料ゾーンの境界にあり、中庭を介して交流ゾーンと美術ゾーンがお互いの雰囲気を感じられます。また、中庭はただの光庭ではなく、屋外展示室となっています。ホワイエから美術ゾーンを見たりもできる^^。展示室から展示室に移動する時に動線空間に出るようにすることで、無料ゾーンが見えます。

外周の交流ゾーンや図書室からも、展示室のランダムな配置から空間と空間の隙間を通して、建物の端から端まで見渡すことができます。通路を介して展示室から展示室に移動することで、その間に何が外で起こっているかを見て感じることができ、美術館の中が何となく感じられる開放的な美術館となっています。ガラスを多く用いた建築の透明性、開放性をもたらし、自分が建物内に今いる位置をよりわかりやすく認識させてくれているのも大きいのでしょうね

この建築の構成は、展覧会の規模に応じて美術館の大きさが変わり、それによって無料ゾーンの部分も変わっていきます。複数の展覧会を同時に開催することもできます何かの中みたいです。美術館が!

建物は緩やかにカーブを描いた透明なガラスで囲われています。建物内部の活動が、外にいる人たちからも感じられます。美術館で起きていることは、まちに広がり連続し、まちをも美術館にしていきます!!建物と街が一体となった美術館という感じでしょう。

これらから、美術館のコンセプトやプログラムがが非常に明快に建築のプラン、かたちとしてでています。コンセプトの実現のため、美術館スタッフ、建築家、アーティストが三位一体となって議論を行いながら、綿密に行われたプロセスが垣間見えます。その苦労がこの美術館の独自で新しい空間モデルのひとつとなっていると思います。

建築:金沢21世紀美術館

設計:SANNA

建築作品を見た雑誌:新建築200411月号

建築がある場所:石川金沢

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする