せんだいメディアテーク~チューブが示す新しい公共施設~

「メディアテーク」という言葉フランス語「メディアを収める棚」または「視聴覚資料室」を意味しているとのことですそんなせんだいメディアテーク。どんな施設かとまあ普通に答えてしますとギャラリー、図書館、映像・音響等のスタジオ等から成る公共施設です。でもこの施設はそんな説明ではお伝えしきれません!

まずこの建築の見た目の特徴としては、地下階から屋上までスラブを突き抜けるチューブの存在が印象的でしょう!全部で13本あるこのチューブは構造なっている同時に、それぞれがエレベータや階段、電気や配管ともなりそして館内に光をおとしています

このチューブの構造体によって、フロアには柱が存在しません。建物は一般的に垂直な柱が等間隔に並んでいます。そしてその柱が梁(はり)を支えているという構造が、現代建築の基本的な構造、いわゆるラーメン構造といわれるものです。現代建築の基本的な構造を打ち破ろうとし、新たな建築のシステムを構築しようとした野心的な建築であるといえます。もちろんこれらの施工もたいへんだったようです。薄い床とチューブを構成するこの建築をつくるにあたっては、鉄を熟知した造船技術によってこれらを実現可能としました。実際によく見てみると、職人さんたちの現場での格闘を感じることができます。

この施設に訪れる人々は、読書、試験勉強、インターネットする場所からはじまり、打ち合わせ、さらにパソコンもってきて仕事を行っている人もいますそしてあつまって何か行う企画をもちよって催しまでその場で可能としています1にはオープンスクウェアという場所があります。そこでは美術・音楽・映画・生涯学習などの文化活動活発に行われています特に美術や映像文化の活動拠点として、展覧会や上映、ワークショップなど様々な企画イベントが行われているのをよくみかけます。この場所の使われ方が特に好きなんだよな~。そこでは、人があつまり、かかわりあい、何かがうまれ、さらにその何かが何かを引っ張ってきます。発展途上でありながらも、開放された公共施設。公民館?内部みたいな広場?みたいなすばらしい居場所として今も成長し続けているように感じます。

ハードとソフトそれぞれに野心的な挑戦をもつこの建築のつくりかたは、偶然か必然かうまい具合にマッチしていると思います。もちろん市民としては、普通の図書館みたいな施設でいいじゃん。税金で何してくれてんの。そういうことを言う人も多いし、実際多かったと聞いています。ただ、そういう施設をつくったことであの場所が変わっていけたか。仙台という東北のなかで常に活発に動きつづける都市についていけたか。おそらくついていけずに、早いうちに時代遅れの公共施設になってしまっていたと思います。変わらないということは衰退を意味するのです

これからの公共施設のあるべきすがたを模索する「せんだいメディアテーク」。今も動いていく時代とともに成長してゆく新しい公共施設の考え方。それををあらわすかのような内部の人工的な海草のようなチューブ。それとは対称的にガラスに映りこむのは今も昔もかわらずゆらめいている定禅寺通りのけやき。自然が生み出してきた情報があたりまえのように、人や人が作り出した情報も今はあたりまえのもので、それぞれには動きがあってそのための場所が必要なのですね!せんだいメディアテークという建築のこれからの成長を楽しみに見守っていきたいです!!

建築:せんだいメディアテーク

設計:伊東豊雄建築設計事務所

建築作品を見た雑誌:新建築20013月号

建築がある場所:宮城県仙台市

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